研究課題/領域番号 |
17083038
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
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研究分担者 |
吾妻 重二 関西大学, 文学部, 教授 (20192982)
千田 大介 慶応義塾大学, 経済学部, 助教授 (70298107)
山下 一夫 神田外語大学, 外国語学部, 専任講師 (20383383)
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キーワード | 民間信仰 / 道教 / 伽藍神 |
研究概要 |
研究集会の第1回として、平成18年7月30日に、岩手大学にて景観班・民俗信仰共催による講演会を行う。二階堂が「中国の民衆における信仰と冥界観」とのタイトルで講演を行った。第2回研究例会は、中国とし芸能研究会関西第1回例会と共催し、関西大学において、9月12日に開催した。「招宝山と招宝七郎神」とのタイトルで、二階堂が発表を行った。 現地調査としては、8月12日から18日まで、浙江天台山・招宝山の調査を行い、招宝七郎神の信仰について調べた。さらに12月26日から、平成19年1月2日までの間に、浙江の建徳梅鎮・江蘇の常州・無錫などの寺廟を行った。祠山張大帝に関する調査が中心であった。 この間、日本の伽藍神に関しても調査を行い、鎌倉建長寺・福井永平寺を訪れた。また長崎平戸に存在する七郎宮について、その遺構調査を行った。 平成19年2月11日に開催された現地調査部門国際シンポジウム「海をむすぶ祈り-東アジア海域交流と信仰-」においては、「宋代の航海神招宝七郎神と平戸七郎権現」とのタイトルで、二階堂が発表を行った。 具体的な研究業績としては、二階堂善弘「海神・伽藍神としての招宝七郎大権修利」(『白山中国学』通巻13号)と二階堂善弘「祠山張大帝考-伽藍神-」(『関西大学中国文学会紀要』第28号)が発表された。 これらの調査や発表により、日本の禅宗寺院で祠られる伽藍神の多くが、浙江や江蘇地域で祠られた道教や民間信仰の神であり、それが日本に伝わった後、かえって本国の中国では信仰が衰えたことが判明した。また平戸の七郎宮に祠られた七郎権現が、本来は招宝七郎神であったものが、日本的に変化したものであるることも確認された。
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