研究概要 |
本提案では,グローバルなネットワークに対して,知能的なソフトウエアに基づく安全な通信基盤の構築を行う.具体的には,各計算機およびチップ上で動作する監視機構を設け,その監視機構が互いに協調する超分散セキュリティソフトウエアを設計する.また,その監視履歴に対するデータマイニングを行うことで不正侵入ルールの自動生成を行うなど,リアルタイムな安全性の確保を実現する.さらに,多数のセンサチップを用いたヒューマンセキュリティなど,その通信の安全性を背景とする新たなネットワークサービスの創出を行うことを目的とする. 以上の目的を実現するために,本年度は,センサチップを用いたセンサネットワークに対するセキュリティソフトウエアの設計に焦点を当てて研究開発を行った他,侵入パターンおよび個人情報ルールを導出するデータマイニングソフトウエアの開発および,無線通信に対する伝播損失情報を応用した位置検出を行うためのセキュリティソフトウエアの開発を実施した. センサネットワークに対するセキュリティソフトウエアにおいて本研究では,実環境内の自律分散制御されたデバイスを,無線アドホックネットワークを用いたセンサネットワークによって統合し,ユビキタス環境を簡便に構築することを目的としたマルチエージェント言語および処理系を開発した.これらは,小規模なリソースを持つセンサノード上で動作し,ネットワークへの動的な参加,動的なサービス発見と相互利用,相互通信におけるセキュリティを備えるソフトウェアシステムである. 実際に利用したセンサとしては,レーザーセンサ,赤外線センサ,人感センサおよび眼底撮影カメラを含む各種カメラセンサを用いることで,来年度に設計予定のヒューマンセキュリティシステムおよびヒューマンサポートシステムのプロトタイプを構築した.
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