研究概要 |
本研究では,各人が装着することで,常にその人物の周囲状況を実時間監視することのできる装着型全方位ステレオ監視システムを提案する.以下の項目に関して,本年度研究を実施した. ● 小型軽量全方位複眼センサのデザイン・試作 これまでに設計・試作した小型軽量全方位複眼センサのアライメント,キャリブレーション手法を構築すると共に,小型PCを組み合わせによる,人間に装着できる監視システムのハードウェアを設計した. ● 複眼全方位センサの実時間自己位置姿勢推定法の研究 複眼全方位センサを人間に装着すると,人間の動きに応じて映像に揺れが生じる.複眼全方位センサでは,無限遠仮説により,遠方特徴点と近傍接徴点の識別ができることから,この特徴を生かし,遠方点から回転運動推定,近傍点から並進運動推定を行う,RANSACベースの運動推定手法を構築した.実験の結果,通常の7点問題としての運動推定にくらべ,高速で安定な揺れ推定が行えていることが確認できた. ● 全方位三次元距離計測手法 -全天球バリアの研究 階層画像による奥行き推定で得られた結果に対して,クラスタリングにより,空間的に近い固まりとなる領域の抽出を行った. ● 特定人物認証手法 -ストーカーウオッチャーの研究 個人認証の前段階として,対象領域を追跡して人物領域の切り出しと認識を行う.人物の認識は,標準歩容モデルと入力画像の非線形時間伸縮(DTW)によって行い、実験によりその有効性を確認した。
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