研究概要 |
本研究は,重要臓器を避けながら患部にアクセスし,最適な処置を行うだめの「外科医の新しい手Jとなる次世代型の高機能エンドエフェクタ及び,エンドエフェクタを患部へ安全に誘導し,処置の術中,術後の診断と確認を行うための「外科医の新しい目」となる次世代型ナビゲーションを開発することを目的とする。本年度は,次世代手術用ナビゲーションツールとしてlntegralVideography(IV)立体像と三次元超音波を用いたIV表示システムを開発した。高画質かつリアルタイムIV画像レンダリング用の画像処理エンジンを導入し,超音波画像とMRI画像のレジストレーションによる四次元画像生成法の開発と評価を行った。また,体内観察デバイスとして,昨年度考案,試作した偏光板,ビームスプリッタによる視野可変機構の細鋒化を行い,外径5.6mmの臨床用試作機を開発し,画質,歪み等の定量的な評価法の提案を行い,杢テバイスの画質劣化が大きくないことを示した。また,臨床応用のターゲットとして心臓外科治療を行うテバイスの開発を行った。ブタ右心房よりデバイスを挿入し,in-vivoによる三尖弁および心房中隔の観察実験を行い,心臓拍動下においても弁尖や表面組織の観察が可能であった。心電同期駆動システムの構築も行い,in-viVOにおける動作を確認した。さらに,心拍動下心臓外科手術支援クリ判ピングデバイスを製作し,クリップの把持力とクリップを使ってクリッピングするのに十分な曲げ力について評価実験を行った。次世代型高機能エンドエフェクタの開発では,最小φ3.5mmまでの細径化を達成し,エンドエフェクタ用チャネル径は1.3mmまで確保でき,ワイヤ駆動による把持鉗子や勇刀,Nd-YAGレーザ用ファイバなど,様々な機能を搭載し,屈曲させることが可能となった。さらにチャネル径を1.3mmとしたバイポーラ型電気メス屈曲鉗子マニピュレータを開発し,生体ブタの腸間膜血管を確実に閉塞できることを確認した。
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