研究概要 |
「平成20年度の研究実績」[1] ヘム不足に応じて活性化するHRI。(1) ヘムのセンシングには蛋白質全体の大きな構造変化を伴うこと。(2) ヘムの存在下、非存在下では、NOによる活性上昇の機構が異なること。(3) NO発生試薬に依存して、NOによる活性上昇が異な否。(4) ヘムが非存在化のHRIでは19残基のSer/Thr/Tyrがリン酸化されること。などが示唆された。しかし、様々な条件下で結晶化を試みたが成功しなかった。 [2] 時計遺伝子制御因子であるNPAS2, mPer1, mPer2, mPer3のヘム結合性。(1) NPAS2, mPer1、及びmPer2のヘム結合部位はCysのチオレートであり、水銀の添加により、ヘムは蛋白質から脱離することが確かめられた。(2) mPer2のC末端側にあるCPモチーフへのヘム結合性は明確ではなかった。(3) ヘムがNPAS2よりmPer2へ移動することが示され、ヘムが時計遺伝子の転写の制御に重要な関わりがあることが示唆された。 [3] 環境汚染物質のマクスの日内活動への影響。(1) メチル水銀の投与がマウスの骨内活動に影響を与えた。(2) チオール試薬を投与することにより、メチル水銀で誘起された日内活動の異常性が修復された。 [4] ガス応答ヘムセンナーであるEc DOS。(1) ガス結合部位であるArg97は、ガスの認識、及びヘム鉄-ガス錯体の安定性に重要な働きをしていることが示唆された。(2) 毒ガスであるH_2Sガスは、Ec DOSのヘムを修飾し、その活性に重要な影響を与えることが示唆された。(3) 水銀が反応するCysのチオレート残基が活性に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|