研究課題
(1)高反応性ユニット環状グルコシルセラミド法を応用して、自己免疫性神経疾患関連ガングリオシドGalNAcGD1a、及び新規インフルエンザ受容体ジシアリル分岐六糖性ガングリオシドの世界初全合成に成功した。また神経突起伸展活性を有する棘皮動物由来ガングリオシドHLG-2の合成に世界で初めて成功した。(2)シアル酸と硫酸基を共に含有するユニークな糖鎖に対する抗体を樹立し、シアル酸と硫酸基を有する糖鎖のセレクチン分子への結合能やシグレック分子への結合のこれらの抗体を用いた解析法を樹立した(Biochimie, 91 : 423-433, 2009)。さらにこれらの糖鎖の検出を、卵巣癌に応用した(Glycoconj. J., 26 : 923-928, 2009)。また硫酸基を持つ糖鎖の検出が腎疾患の診断にも応用可能であることを見いだした(Nephrology, 14 : 658-662, 2009)。(3)CD22のリガンド/インヒビターの開発に取り組み、以下2点の顕著な成果を挙げた。一つ目は、高親和性リガンドのビオチン標識によるプローブ化である。本プローブを用いることで、CD22とリガンドの親和性をELISAで測定することが可能になった。二つ目の成果は、シアル酸のC-2位とC-9位に芳香環を有する極めて高活性の新規CD22インヒビターを開発することに成功した。(4)ヘパリン糖鎖を構造特異的に認識するペプチド(HappY)を用いた糖鎖の検出法の開発に成功し,特許を出願した。すわなち、糖鎖と結合した状態のHappYに対してOPA(o-phthaldialdehyde)もしくはNAM(N-(9-achdinyl)maleimide)を供し、HappYとの反応により生成する蛍光物質の蛍光強度が糖鎖量に比例すること、しかも10pmol程度から検出することが可能な非常に高感度の検出法であることを確認した。
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