研究分担者 |
西秋 良宏 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (70256197)
鈴木 宏正 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40187761)
近藤 修 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (40244347)
定藤 規弘 高知工科大学, 生理学研究所・心理生理学研究部門, 教授 (00273003)
青木 健一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30150056)
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研究概要 |
研究成果の概要 (1) 人類進化博物資源総合データベース作成 アフリカ・ユーラシア関連遺跡(2000遺跡)の情報化完了し、英国自然史博物館人類部門との協定内容に準じて以下のホームページで発信中である(http://fossil.kochi-tech.ac.jp/)。 (2) シリア・デデリエ洞窟発掘 洞窟調査は継続中であるが、今日までの研究成果、とりわけ約30万年前以降のヤブルディアン前期旧石器文化、20万年前以降のムステリアン中期石器文化、約1万年前以降のナトウーフィアン晩期旧石器文化を網羅する詳細データ発信中である(http://www.kochi-tech.ac.jp/akazawa/(http://kutarr.lib.kochi-tech.ac.jp/ir/bulletin/index.html/) (3) 旧人ネアンデルタールと新人ホモ・サピエンスの頭蓋・脳の復元研究 アムッド1号人骨(旧人ネアンデルタール)、カフゼー9号人骨(新人ホモ・サピエンス)の頭蓋のCT測定データより三次元頭蓋モデル、三次元エンドキャストモデルを生成し形態解析した。 (4) 旧人ネアンデルタールと新人ホモ・サピエンス交替劇の理論的研究 ヒトの行動パタンに際して想定される個体学習と社会学習という二つの戦略の進化に焦点をあて、数値計算によって調べ、個体学習のコストが比較的小さく、移住率が大きい場合には、個体学習の戦略が全域を占めるようになることが判明した。 (5) 以上4研究課題の総合的結論 (1)旧人・新人社会の間には大きな技術格差が存在し、それは両者の学習行動の違いに基づく可能性が高いこと(西秋他2005, 2006, 2008, 2009;赤澤2007, 2010)、(2)新人の現代的行動は、環境の時間的変動・空間的異質性に対する適応として個体学習能力が強化された結果であることを裏付ける理論的根拠の解明(Aoki et al 2005:青木2007;Borenstein et al 2008;Aoki, Nakahashi 2008)、そして、(3)両者の学習能力差の存在を裏付ける解剖学的証拠の基盤資料となる旧人の頭蓋・脳の高精度復元手法を確立した(近藤他2007;豊田・定藤・赤澤2008)。
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