研究課題/領域番号 |
17104002
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉井 譲 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (00158388)
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研究分担者 |
田中 培生 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (70188340)
川良 公明 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50292834)
土居 守 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (00242090)
河野 孝太郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (80321587)
小林 尚人 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (50280566)
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キーワード | 星間ガス / 銀河系 / 小望遠鏡 / 赤外線 / 水素輝線 |
研究概要 |
本研究の目的は、銀河における物質循環の基本過程(星-星間ガス-星のサイクル)を明らかにするために、星間ガスの大部分を担う「電離ガス」をダストによる吸収を受けにくいPaα輝線(1.87ミクロン)をプローブとして観測的に把握することである。大気中の水蒸気によって吸収され、既存の地上望遠鏡ではほとんど観測することができないPaα輝線を観測するために、水蒸気吸収がほとんどないチリのチャナントール山頂(高度5632m)に専用望遠鏡を設置し、サーベイ観測を行う。 平成18年度は主として以下の作業を行った。 1.望遠鏡主鏡・副鏡の製作(研磨作業)及び検収を行った。当初目標とした良い鏡面精度に研磨できた。 2.望遠鏡機械系の詳細設計と製作準備及び製作を一部開始した。設計には、望遠鏡設置場所の気象条件を反映できた。 3.望遠鏡制御系の概念設計を行った。これにはリモート制御に関する要素も含まれる。 4.Paα輝線観測のための近赤外線カメラの開発を進めた。光学系、機械系、冷却系はほぼ完了した。狭帯域フィルターの設計を行った。 5.望遠鏡設置場所であるアタカマ・チャナントール山頂での気象調査を開始した。気温・湿度、風向・風速が把握できた。これらを望遠鏡の詳細設計に反映した。 6.望遠鏡建設のための諸手続(チリでの法人格の取得、望遠鏡設置申請のための諸機関との交渉等)を進めた。これにより、望遠鏡建設を予定通りに進める見通しがついた。 7.Paα輝線の観測計画(観測天体・観測方法等)の具体的検討を開始した。銀河中心・銀河面・HII領域・マジェラン銀河などを天域・領域サイズと共に、視線速度も検討した。これはPaα輝線波長域の大気透過率が波長に敏感なためである。したがって、観測手法等も検討した。 8.Paαサーベイ観測を支援するための予備研究(観測、理論)を行った。
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