●楕円リングにおける磁壁ペアの高周波振動磁場応答 本研究を通じて磁壁の対の連続回転運動を誘導し、二次元電子ガスの曲がり抵抗を用いて、その運動形態を検出する手法を確立した。スピン誘導起電力に関しては、出力が予想より小さく検出が困難であった。本研究を通じて得られた知見を基に、素子構造の改良など今後の研究課題としたい。 ●調整可能な磁壁ステップ駆動素子の実現 本研究を通じてマィクロマグネテイクスシミュレーションを用いて磁壁ラチェット駆動を引き起こす最適の磁性体ゲート形状の設計を完了した。カーボンないとライト膜上に素子を作製し、透過電子顕微鏡法を用いてスピントルクによってステップ駆動する磁壁の運動を観測することに成功した。 ●スピン整流素子 本研究を通じて、スピン整流法としてスピンホール効果が有力であることを発見し、効果を増大させる手法の開発に取り組んだ。その結果、スピン吸収法を用いることにより、従来半導体試料で観測されている素子と比べ1000倍大きな効果を観測することに成功した。
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