研究課題/領域番号 |
17105001
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
松本 吉泰 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 教授 (70181790)
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研究分担者 |
岡崎 進 分子科学研究所, 計算分子科学研究系, 教授 (70194339)
高木 紀明 東京大学, 大学院・創成科学研究科, 助教授 (50252416)
渡邊 一也 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助手 (30300718)
松本 健俊 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助手 (20390643)
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キーワード | 和周波発生 / 顕微鏡 / 超高速過程 / Pt(111) / 一酸化炭素 / 氷 / 振動緩和 / ホット電子 |
研究概要 |
本年度は、主に以下の点について研究を実施した。 1.走査型トンネル顕微鏡による原子レベルでの表面反応の時間・空間発展の観察 Ag(110)酸化表面における水の水素引き抜き反応について温度可変走査型トンネル顕微鏡による観察を行った。その結果、(1)反応の誘導期が存在し、このとき反応は鎖端を活性サイトとして進行するが、(2)誘導期の後、鎖内の酸素も含めたあらゆる酸素が反応に関与するため表面上に反応フロントが出現し、反応が爆発的に進行することなどを見出した。 2.表面反応の計算科学シミュレーションによる解析 さらに、同表面でのCO酸化反応において第一原理計算によりこれらの相互作用の大きさを見積もり、これを用いた計算科学シミュレーションを行い、第1項での実験結果とを照合することによりその妥当性を検討している。 3.和周波(SFG)顕微鏡の開発と表面の時間・空間分解観測 和周波分光法と光学顕微鏡と組合せることによりSFG顕微鏡試作した。その仕様をチェックしたところ、ほぼ赤外光の回折限界に近い空間分解能が得られていることがわかった。実際の観察にはマイクロコンタクトプリンティング法で形成したチオール単分子膜の空間パターンを観察し、パターン内の単分子膜の乱れなどの観察に成功している。また、SFGによる吸着種の検出感度向上を目指し、メッシュ状の規則正しいパターンを持った金属試料表面を用いた増強SFG顕微鏡の開発に着手した。
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