研究概要 |
1.酸素活性化反応中間体ヘムFeOOH及びその類縁体の合成と反応 前年度のCcOモデル研究の結果、反応中に生成する酸素活性化体(LFe^〈III〉-〇〇H)の反応性を明らかにすることが鍵であり、この中間体はあらゆるヘム酵素における反応中間体として重要であることから、ポルフィリンにイミダゾール軸配位子を共有結合したモデル錯体を用いて、鉄(III)ヒドロペルオキシ錯体およびその関連中間体である、鉄(III)ペルオキシ錯体や鉄(II)スーパーオキシ錯体の低温下、溶液中での生成を各種スペクトル法(UV-vis,ESR,Mossbauer,resonance Raman)より同定し、これら不安定中間体の選択的合成法を確立した。 2.チトクロムc酸化酵素における酸素活性化反応(最終段階)のシュミレーション 完全化学モデルを用いて合成した鉄(III)ペルオキシ/銅(1)錯体溶液に酸を低温下で添加することにより鉄(III)ヒドロペルオキシ錯体の生成を行った。反応は瞬時に起こり、対応する鉄(III)ヒドロペルオキシ錯体は瞬時に0-0結合解裂生成物(LFe^<IV>=OおよびLCu(II)-OH)を与える事が、酸素活性化が鉄(III)ヒドロペルオキシ錯体経由でることを実証した。 3.高い酸化安定牲を有するオキソマンガン(V)ポルフィリンニ量体の合成とその反応性解明 高原子価マンガン錯体が安定でそのオキソ種は水への強い求電子的反応性を有するポルフィリンニ量体としてピロールβ位フッ素置換およびmeso位パーフルオロフェニル基置換体を合成子、そのMn(V)状態の生成を確認した。
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