研究課題
ポリスチレン-ポリイソプレンジブロック共重合体(SI)とポリスチレンホモポリマー(HS)の混合系の溶媒キャスト過程におけるGyroid構造の成長様式には、スポンジ構造から過剰なHSを排斥しながら成長する場合と、PL構造から成長する場合の二通りがある。前者の場合はGyroid構造中にトラップされたHSが欠陥構造の原因となるため、欠陥の多いGyroidグレインとなるが、後者では欠陥の少ないきれいな単結晶状のGyroidグレインが得られる。後者の場合のGyroid/PL粒界構造を3次元TEM観察し、Gyroid構造の成長機構を明らかにすることができた。特に興味深いのはGyroid構造の(111)面とPLのLayerの方向が一致してエピタキシャル成長する場合である。Gyroid構造/PLの粒界ではPLのLayerが交互にGyroid構造の2組の網目と連結していることから、巧妙な構造転移が起きていることがわかった。そのため、粒界直近からきれいなGyroid網目が形成されており、格子欠陥もほとんど見られない。またGyroid構造の粒界面はGyroid構造モデルとの比較から(211)面であることがわかった。多孔体化したGyroid構造を劈開すると劈開面には(211)面が現れることが報告されており、この結果との共通性が興味深い。一方、前者の様式で成長したGyroidグレインの内部に存在する線状欠陥の3次元TEM像観察から、過剰なHSは特定の格子面((211)面)を境界として凝集しやすいことが分かった。Gyroidグレイン周辺部に見られる線状欠陥周辺では、2つの網目が連結したところが多く観察された。このことから、Gyroidグレイン内部の過剰なHSは線状欠陥を通じてグレイン外へ排斥され、その周辺部のGyroid網目は構造修復の過程にあることが推測される。
すべて 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 18件) 学会発表 (24件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Optics Expr. 16
ページ: 5362-5371
Macromolecules 40
ページ: 9032-9039
ページ: 6916-6921
ページ: 4399-4402
Macromol. Rapid Commun. 28
ページ: 2137-2144
J. Polym. Sci., Part A, Polym. Chem. 45
ページ: 5916-5922
Polym. J. 39
ページ: 1112-1116
Taiwan-Russ. Jnt. Symp. Soft Mater. Phys. Chem. Appl. November
ページ: 43-46
ページ: 5923-5933
J. Photopolym. Sci. Technol. 20
ページ: 505-510
Mater. Res. Soc. Symp. Proc. 961
ページ: 0961-017-01
ページ: 3714-3723
Phys. Rev. E 75
ページ: 061802-1-4
高分子論文集 64
ページ: 324-327
Langmuir 23
ページ: 6404-6410
J. Appl. Polym. Sci. 105
ページ: 137-157
J. Appl. Cryst. 40
ページ: s662-s665
ページ: 395-398
Physica B: Cond. Matter 385-386
http://alloy.polym.kyoto-u.ac.jp/~sandbox/