研究概要 |
1次元積層構造の磁性フォトニック結晶(MPC)とフォトニック結晶(PC)の界面欠陥で生じるタム状態を利用する新しい動作原理の1次元磁性フォトニック結晶を開発した。この新規ID-MPCでは,界面欠陥に起因する局在モードが現れ,高い透過率と大きなファラデー回転が得られることを見出した。 2次元に配列したPtドット/YIG構造体を作製した。ガリウム・ガドリニウム・ガーネット(GGG)基板の上に電子線露光装置を用いて,2次元のPtドット、アレイを作製し,その上にイットリウム鉄ガーネット(YIG)を形成した。基板のGGG表面上ではエピタキシャル成長した単結晶YIGが形成され,Ptドット上ではアモアルファスYIGが形成される。この試料の透過率を測定したところ,回折によって透過率が低下する波長が存在すること,入射角を変えることによってその透過率が低下する波長の位置が変化することが明らかになった。また,電子線露光装置と反応性イオンエッチングRIEを用いて,Siの2次元PCを形成した。 Bi:YIGとオパール構造薄膜から成る2次元ヘテロ構造磁性フォトニック結晶を作製した。シリカ球を基板上に形成し,その上にスパッタ法によってBi:YIG薄膜を作製した。この構造では,オパール構造によってフォトニックストップバンドが現れ,その波長は角度によって変化し,そしてファラデー回転が大きく変化することがわかった。またこの構造の上にさらにオパール薄膜を形成したマイクロキャビティ型のヘテロ構造磁性フォトニック結晶を作製した。この構造では共鳴による透過率が低下する波長が現れ,そこではファラデー回転が変化することが明らかになった。 1次元および2次元の貴金属/Bi:YIGから成る磁性フォトニック、ナノ構造の作製を行った。この構造体では,プラズモン共鳴または導波路による共鳴的効果により,透過率が高くなる現象が現れることを確認した。
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