研究分担者 |
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
岡本 峰雄 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (70345403)
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 教授 (10253949)
赤松 良久 東京理科大学, 理工学部, 助教 (30448584)
大澤 和敏 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (30376941)
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研究概要 |
・名蔵川流域における土砂,水,栄養塩動態を対象とした研究 1)時間分解能の高い流域モデルであるWEPモデルを対象流域に適用した.数時間単位で降雨に反応する中間流出の考慮が可能となり,降雨イベントに伴う流量変化および栄養塩動態の再現性が向上した.2)名蔵川河口のアンパル干潟において地下水および表層水の栄養塩濃度,安定同位体比,ORP等の分析・測定を行った.この結果,干潟内への栄養塩の供給源として周辺のマングローブ林からの地下水の流入が重要であることが示唆された.3)大潮期の前後にカニ類幼生採取調査を行った.また海域での浮遊幼生の分散や回帰過程を対象として水理モデルと幼生の行動モデルによりシミュレーションを行った.これにより海域での幼生の生存率に干潟口周辺の特徴的なリーフの地形が寄与していることが示唆された.4)名蔵湾の3定点と石西礁湖で河川負荷がサンゴの再生に与える影響を評価する手法を開発した.その結果,名蔵湾への3ヶ月後のサンゴの加入量は石西礁湖よりも多いが1才まで生残できる環境にないことを明らかにした. ・異なった流域への研究の発展 5)八重山地方において,土地利用形態の異なる3流域で土砂流出および栄養塩流出を比較した.結果として土砂流出量および栄養塩流出量に関しては農地主体流域が著しく大きかった.また,森林流域においては,栄養塩流出量は極めて小さかったが,土砂流出量は農地と森林が混在した流域より大きい傾向にあった.6)広域における土砂流出量の数値シミュレーションとして,GeoWEPPを石垣島全域に適用した.その結果,石垣島東部および南東部の地域において土砂流出量が顕著であり,流出防止対策の必要性が相対的に高いことが分かった. ・国外地域における研究の展開 7)パラオ共和国のNgerikiil川流域として流域の基礎データの取得を行いGeoWEPPを適用することで,前年度までに確立された研究手法の有効性が確認された.
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