研究課題
本年度は、平成20年6月に実施されたIISA-Geneの現場運用言式験の結果を解析すると共に、さらなる機能高度化の為の課題抽出に取り組んだ。その結果、現場において得られた陽性反応は非特異的増幅による擬陽性ではないことが明らかとなった。また、本装置を現場で運用する際の信頼性を確保するためにサンプル回収機構の再検討が必要であることを明らかにした。また、平成20年12月実施の研究航海(NTO8-24:相模湾初島沖)に参加し、今後のメタン酸化酵素(pMMO)遺伝子の高感度検出に向けた評価試験に必要な海水・底泥サンプルを採取した。これまでに得られたサンプルの解析の結果、pMMO遺伝子をはじめ、多くのバイオマーカ遺伝子が底泥中に多く存在することが明らかとなった。このことから、底泥間隙水中からの分析サンプル採取機構の必要性が明らかとなった。さらに、IISA-Geneの機能高度化に向けて、遺伝子の検出に加えて定量機能の付加について検討を行い、基礎的な評価を実施した。その結果、マイクロヒ一夕のON/OFFといった非常に簡便な方法によってDNA特異的蛍光色素を用いた定量PCRが可能であることが示された。また、ATP定量に基づく微生物活性現場分析装置の開発を実施し、NTO8-24航海及び平成21年3月実施の石垣島・竹富島海底温泉海域調査において同装置の性能を評価した。その結果、深海及び浅海の現場においてそれぞれ微生物の活性を現場計測できることが明らかとなった。米国モンタレー湾水族館研究所(MBARI)の現場型サンプル処理装置(ESP)との機能集積化に向けて、標的とする赤潮藻類(H. akashwo)の培養体制を確立し、また定量PCR法によるH. akashiwo特異遺伝子の検出に関する評価に着手した。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering, Sensors and Micromachines 129
ページ: 73-76
海洋と生物 177
ページ: 505-515
http://www.microfluidics.iis.u-tokyo.ac.jp/index_j.html