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2007 年度 実績報告書

ダイニン組換え体発現と、その構造・動態に基づくエネルギー変換機構の解明-生物分子モーター研究の新たなフロンティアの展開-

研究課題

研究課題/領域番号 17107003
研究機関東京大学

研究代表者

須藤 和夫  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20111453)

研究分担者 栗栖 源嗣  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (90294131)
昆 隆英  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30332620)
大岩 和弘  情報通信研究機構, 生体物性グループ, リーダー (10211096)
キーワードダイニン / 微小管 / クライオ電子顕微鏡法 / レバーアーム / パワーストローク / ATP加水分解
研究概要

クライオ3次元電子顕微鏡法でダイニンモータードメイン(MD),微小管複合体の構造を明らかにした(Mizunoら,PNAS2007)。この結果,MDのATPase部位をふくむリング構造と微小管結合部位をつなぐ10-14nmもの長大なストーク,コイルドコイルが,棒と考えればよいほど硬いことがあきらかとなった。これはパワーストロークを支える構造としてストークに期待される性質である。一方,このコイルドコイルは,動的揺らぎを介して,ATPase部位と微小管結合部位が情報交換をしていることが期待されるが,実際に組換え体のジスルフィド架橋から,こうした動的揺らぎが存在し,これが情報伝達を担っていることを明らかした(Konら,投稿準備中)。つまり,ダイニンMDから突き出しているストーク構造は,パワーストロークを支えるには十分なほどの硬さをもっが,一方で動的揺らぎによって情報伝達をおこなっているという興味深い結果がえられたことになる。また,生化学的機能解析では,ATP加水分解にともない,3か所存在しているMD中のATPase部位のうち,AAA1モジュールのATPaseサイクルに共役して,レバーアームスイングと微小管との解離,会合が生じることを明らかにした(Imamulaら,PNAS2007;Mogamiら,J。Bio。Chem。2007)。つまり,ストップトフローを用いたキネティックス解析から,ATPが微小管,ダイニン複合体に結合するとまず微小管とダイニンの解離がおこり,次いでレバーアームがスイングする(recoverystroke)。ATPが加水分解されるとまず微小管にダイニンが結合し,次いでレバーアームが再び元の位置にスイングする(powerstroke)。このような時間差のある共役の結果,ダイニンは微小管上を滑り運動できることを初めて明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional structure of cytoplasmic dynein bound to microtubules2007

    • 著者名/発表者名
      Naoko Mizuno, Akihiro Narita, Takahide Kon, Kazuo Sutoh, and Masahide Kikkawa
    • 雑誌名

      PNAS 104

      ページ: 20832-20837

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The coordination of cyclic microtubule association/dissociation and tail swing of cytoplasmic2007

    • 著者名/発表者名
      Kenji Imamula, Takahide Kon, Reiko Ohkura, and Kazuo Sutoh
    • 雑誌名

      PNAS 104

      ページ: 16134-16139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kinetic characterization of tail swing steps in the ATPase cycle of Dictyostelium cytoplasmic2007

    • 著者名/発表者名
      Toshifumi Mogami, Takahide Kon, Kohji Ito, Kazuo Sutoh
    • 雑誌名

      J.Bio.Chem 282

      ページ: 21639-21644

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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