研究課題
基盤研究(S)
細胞内で物質輸送を駆動したり細胞分裂時の染色体分離を担ったりする細胞質ダイニンがどのようにしてATPの加水分解エネルギーを力学的仕事に変換するか、その分子機構をあきらかにすることが本研究の目的である.本研究の成果としてはつぎのことがあげられる.(1)遺伝子操作を駆使してダイニンの最小モータードメインを同定し、電子顕微鏡法でその構造をあきらかにした.(2)ATP加水分解キネティックスをもとに、1個のダイニンモータードメインは3か所のATP加水分解部位と1か所のADP結合部位をもつことをあきらかにした.そして、このうち1個の主要なATP加水分解部位がダイニンのモーター機能を駆動しており、残りのATP加水分解部位は、この主要部位を制御する部位であることもあきらかにした.(3)主要ATP加水分解部位での反応ステップをストップトフロー法で詳細に解析した.(4)主要ATP加水分解部位の反応ステップに呼応して、モータードメインから突き出ているリンカーが大きくスイングし、レバーアームとして機能することをFRET法や電子顕微鏡法であきらかにした(5)主要ATP加水分解部位の加水分解ステップに呼応して、ダイニン上の微小管結合部位に構造変化がおこり、微小管とダイニンが会合と解離を繰り返すことをあきらかにした.このような成果に基づいて、ダイニンの作動機構のモデルを作り上げた.
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