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2008 年度 実績報告書

微生物炭酸固定の多様性と進化生化学的理解

研究課題

研究課題/領域番号 17108002
研究機関東京大学

研究代表者

五十嵐 泰夫  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90114363)

研究分担者 石井 正治  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (30193262)
新井 博之  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (70291052)
キーワードH. r thermophilus / ゲノム解析 / genomic island / 炭酸固定系 / 進化・系統
研究概要

今年度の最大の成果は、Hydrogenobacter thermophilus TK-61株のゲノム解析が終了したことである(Accession number:APOll112)。Tk-6株は1.743, 131bpの勘定構造を持つDNAを持ち、遺伝子数は1965、44のtRNA遺伝子と3つ(一組)のrRNA遺伝子を持つ。本菌はゲノムサイズが小さいため翻訳、細胞膜、補酵素関連等の必須遺伝子の割合が高くなっている。一方、転写、糖代謝関連の遺伝子が少ない。これは本菌が絶対独立栄養性であり、転写制御系が単純であることを繁栄していると考えられた。また運動性関連遺伝子も少なかった。
TK-6株ゲノムの特徴として、35kbのprophageと31kbのgenomicislandが存在することが挙げられる。Prophageについては、ゲノム中に組み込まれた状態と離脱して勘定かした状態の両方が存在することが、P C R解析および電子顕微鏡観察の結果から認められた。
Genotnic islandの両端には27bpのinverted report配列が存在し、内部にはtransposaseやphage関連遺伝子がコードされていた。ゲノム解析によって得られたこれらの知見は、本菌および炭酸固定系等本菌の持つ得意な代謝経路の進化、系統を考察する上で、予期していなかった新たな視点を与えた。
現在、既に判明している酵素学知見および現在得られつつある知見について、全てのデータをゲノムデータと照らし合わせて再検討していると共に、ゲノムから得られる予測を元に本菌の代謝系について網羅的解析を進めている。プロジェクト最終年度の21年度中には、本菌の代謝の全体像を明らかにできると信じている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Nondecarboxylating and Decarboxylating Isocitrate dehydrogenases2008

    • 著者名/発表者名
      M. Aoshima
    • 雑誌名

      J. Bacteriol. 190

      ページ: 2050-2055

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Soluble NADH-dependent Fumarate Reductase in the rTCA Cycle of H. themophilus TK-62008

    • 著者名/発表者名
      A. Miura
    • 雑誌名

      J. Bacteriol. 190

      ページ: 7170-7177

    • 査読あり
  • [学会発表] 好熱性絶対独立栄養性水素細菌Hydrogenobacter thermophilus Tk-6の全ゲノム解析2009

    • 著者名/発表者名
      神邊 悠奈, 他
    • 学会等名
      日本農芸化学会2009年度大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] 好熱性絶対独立栄養性水素細菌Hydrogenobacter thermophilus Tk-6のゲノム解析2009

    • 著者名/発表者名
      新井博之, 他
    • 学会等名
      第3回日本ゲノム微生物学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-03-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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