研究課題/領域番号 |
17109002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲垣 冬彦 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (70011757)
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研究分担者 |
野田 展生 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (40396297)
小椋 賢治 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (50270682)
堀内 正隆 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (90322825)
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キーワード | 好中球活性酸素発生系 / インターフェロン / IRF-3 / 活性制御 / リン酸化 / TICAM1 / TIRドメイン |
研究概要 |
(1) Nox2のNADPH結合ドメインの構造解析 : Nox2のNADPH結合ドメインの構造をX線結晶構造解析により明らかにした。CGD患者の多くの変異がNADPH結合ドメインに起こっていることが知られており、結晶構造解析により求めた構造の上にマップした。NMRを用いたNADPH適定によりシフトした残基と一致することから、NADPH結合が活性酸素発生の重要な過程であることがわかる。特に2'リン酸を認識する残基に変異を加えると、活性酸素が産生されないことからも重要性が裏付けられた。 (2) IRF3リン酸化と二量体化 : IRF3はリン酸化され、二量体化することにより核内に移行し、CBP/p300と結合し、IFN産生遺伝子を活性化する転写因子である。我々はIRF3のリン酸化部位についてLC/MXS/MSを用いて解析した結果、IKKeによりS386およびS402がリン酸化されることが示された。さらに、二量体化にはS386のリン酸化のみが必要であることを明らかにした。S386がリン酸化されたIRF3のみがCBP/P300のIRF3結合ドメインと結合出来ることから、IRF3活性化に必要なSer残基はS386であることを同定した。 (3) TICAM1のTIRドメインの構造 : TIRドメインは自然免疫の制御ドメインとして知られている。今回、NMR法を用いてTICAM1のTIRドメインの構造を解析することに成功した。現在、構造に基づき変異体の解析をY2Hを用いて行い、TICAM2のTIRドメインやその他のTIRドメインとの相互作用に必須な残基の同定を行っている。TIRドメインによるシグナルの解明を目的とする。
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