研究課題/領域番号 |
17109006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
西條 将文 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (90221986)
堀端 克良 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (40402995)
成田 央 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教 (50437399)
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キーワード | DNA修復 / 転写 / 転写と共役した修復 / 色素性幹皮症 / コケイン症候群 / ユビキチン化 / RNAポリメラーゼII / ホルモン受容体 |
研究概要 |
ヌクレオチド除去修復(NER)機構は種々のDNA損傷を修復し、遺伝情報の維持に重要な役割を担う。色素性乾皮症(XP)は日光紫外線高感受性、高頻度皮膚がん発生、神経異常を臨床的特徴とする常染色体性劣性遺伝疾患で、NER機構に異常をもつ。また、NER機構においては、転写を阻害し細胞死を誘発する転写鎖上のDNA損傷を特異的に修復する「転写と共役した修復」(TCR)機構が存在し、その異常は遺伝的早老症コケイン症候群(CS)を発症する。本研究では、XPやCSの原因遺伝子産物であるXPG、XPD、CSA、CSB等の機能解析を行った。紫外線照射を受けた細胞では、CSAユビキチンリガーゼ複合体は、CSBやTFIIH依存性に核マトリックスに移行し、DNA損傷部位で転写を停止したRNAポリメラーゼIIoやCSBと結合し、それらをユビキチン化した。また、ユビキチン化されたCSBはプロテアソームにより分解された。以上の結果はTCR機構の解明に貢献するものである。他方、色素性乾皮症G群(XPG)遺伝子に突然変異をもち、XPとCSを合併する患者(XP-G/CS)では、TFIIHの安定性に異常を示すこと、その結果、ホルモン受容体の転写活性化に異常を示すことを明らかにした。CS徴候がNER異常に加え、転写の異常にも起因することを強く示唆し、CSの病態解明に貢献した。さらに、微小核融合法を用い、転写やTCR機構に異常をもつCSの類縁遺伝疾患の原因遺伝子の同定をめざし、研究を推進した。
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