研究課題
基盤研究(S)
(1)肥満におけるアンドロゲン-アンドロゲン受容体(AR)系の中枢性作用機序:レプチンは摂食抑制と交感神経活性の亢進作用による体重減少効果を有する。オスARKOマウスでは、晩発性肥満を呈し、必ずしも肥満に依存しないレプチン抵抗性を示した。レプチンは下流のSTAT3のY705をリン酸化し、リン酸化STAT3は核内へ移行し、転写活性を発揮する。ARはレプチン誘導性のSTAT3の転写活性化能を増強した。In vitroの系でARはリガンド非依存性に、レプチンが惹起するSTAT3の核内移行を増強した。この事実はレプチン脳室内投与下の野性型マウスでは、視床下部弓状核STAT3の顕著な核内発現を認めるのに対し、オスARKマウスでは同部位でのSTAT3の核内発現が明らかに低下していることからも確認された。以上の結果より、アンドロゲンの抗肥満作用機序の一端として、レプチン作用の増強が関与していると想定される。(2)アンドロゲンと動脈硬化:ARKOと動脈硬化モデルのApoEKOマウスの交配オスマウスの動脈硬化面積は血中脂質レベルとは無関係にApoEKOマウス群に較べ有意に強い動脈硬化度を示した。内因性Tの抗動脈硬化作用は、高コレステロール食飼下のNew Zealand white rabbitの動脈硬化を精巣摘出が増悪しDHT投与により著明に抑制した成績からも支持された。また、生理的濃度のDHTは、ヒト血管内皮細胞においてサイトカイン誘導下のLOX-1の発現を転写及び蛋白のレベルで抑制した。(3)撰択的AR修飾剤(SARM)の探索:前立腺刺激作用を有さず、抗メタボリック作用を有するような化合物のスクリーニングを行ない、S42(仮称)という一つの化学物質の同定に成功した。ラットの系で少なくともS42が前立腺重量に影響を与えず、肛門挙筋重章は増加させるSARM作用があること、またその投与により血中中性脂肪値が劇的に低下することを見出した。4.DDSP-TG(過剰発現)マウスの解析:DDSPはDHEAの標的遺伝子でありP38特異的MAP kinasephosphataseである。オスDDSP-TGは高脂肪食下において、13週齢以降、野生型と比較して体重増加と内臓脂肪蓄積が有意に抑制された。食餌摂取量や運動量に変化なく、体重あたりの酸素消費量の充進がその原因と考えられた。DDSPはDHEAの抗肥満作用機序の一端を担う可能性がある。
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