研究課題/領域番号 |
17200001
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 克郎 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (20168438)
|
研究分担者 |
楠本 真二 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (30234438)
松下 誠 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (60304028)
|
キーワード | コードクローン / コードクローン分析 / 分析支援ツール / リファクタリング / メトリクス |
研究概要 |
昨年度に引き続き、コードクローンの分析技術や、分析結果を用いたソフトウェア保守支援環境に関する課題に対して取り組み、以下のような成果を得た。 まず、コードクローン検出ツールCCFinderの出力から、リファクタリング可能な条件を満たすコードクローンを抽出するツールCCShaperを作成し、それを用いてコードクローンとなっている箇所をリファクタリングする場合のコストと効果について調査を行った。その結果、リファクタリングによりコードを対象としたメトリクス値の変化は少なかったものの、その後保守作業を行う場合の修正回数を削減する効果があることがわかった。 また、CCFinderを含め、既存の検出ツール等はある時点のソースコードを対象とした分析しか行えていなかった。そこで、ソースコードを時系列順で解析し、クローンがどのように変化していったか、また、その変更が加えられた際どのような開発者が関係していたかを分析するためのツールを作成した。作成したツールを比較的大規模のオープンソースソフトウェア開発に適用し、実際にどのような開発が行われ、それによってクローンがどのように変化していったかを追跡できることを確認した。 最後に、これまでの研究で作成したコードクローン分析のための種々のツール類を、企業等で実際にソフトウェア開発に携わっている方々に利用してもらい、既存のツールがどの程度有効であるかを確認し、得られたフィードバックを基にツールをより実用的となるよう改良した。また、改良した分析ツールを日本の主要ベンダー5社が共同開発したソフトウェアに対して適用することにより、クローン分析作業を的確にかつ容易に行うことができることを確認した。
|