研究分担者 |
小花 貞夫 (株)国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 所長 (60395043)
水野 忠則 静岡大学, 情報学部, 教授 (80252162)
萬代 雅希 静岡大学, 情報学部, 助手 (90377713)
渡辺 正浩 (株)国際電気通信基礎技術研究所, 適応コミュニケーション研究所, 主任研究員 (00395047)
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研究概要 |
ユビキタスインフラストラクチャの構築に向けて,無線アドホックネットワーク技術は重要なキーテクノロジとして注目されている.無線アドホックネットワークとは,固定インフラと必要とせず,端末だけで一時的に構成されるネットワークである.報告者らは,これまでにアドホックネットワークにおいて,電子制御によりアンテナビームの指向性制御が可能なスマートアンテナを使用することで,スループットを向上させるメディアアクセス制御(MAC)方式SWAMP(Smart antenna based Wider-range Access MAC Protocol)方式を提案し,シミュレーション評価で有効性を確認している. 本年度は,国際通信基礎技術研究所(ATR)の開発したESPAR(Electronically Steerable Passive Array Radiator)アンテナを用いた実証実験用テストベッドを開発し,テストベッド上にSWAMP方式を実装し,実アンテナ上でのSWAMP方式の性能評価を行った.実装したテストベッドは,物理層にZigbeeを用い,マイコン上にC言語を用いてMACプロトコルを実装している.また,GPSやジャイロからの位置情報等の利用も可能である.従来のシミュレーション評価では,アンテナサイドローブおよびバックローブ,変動する電波環境等を理想化していた.実アンテナによる簡単なトポロジでの基礎実験により,それらがMACプロトコルに与える影響について定量的に評価した.さらに,実アンテナパターン利用時の問題を分析し,改良案を提案し,その有効性を確認した. また,通信距離の延長効果を有する指向性アンテナ適用時固有の問題である指向性隠れ端末問題,大きなネットワーク性能の劣化をもたらすdeafness問題,センサネットワークへの固定指向性アンテナの適用方法についても基礎検討を進めた.
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