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2007 年度 実績報告書

小胞体ストレス応答機構の制御による神経細胞死防御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17200026
研究機関宮崎大学

研究代表者

今泉 和則  宮崎大学, 医学部, 教授 (90332767)

キーワード小胞体ストレス / 神経細胞死 / 分子シャペロン / 神経変性疾患 / 化合物
研究概要

アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療法開発を目標に、脳神経細胞で起こる小胞体ストレス応答の全貌解明を目指している。本年度得られた成果は以下のとおりである。
1)新規小胞体ストレスセンサーの同定と機能解析;昨年度同定した新規小胞体ストレスセンサーBBF2H7の神経細胞における機能について解析を行った。BBF2H7は小胞体ストレスに応答して膜内切断を受け、切断された断片が核内に移行してターゲット遺伝子の転写を促進する。BBF2H7の過剰発現細胞は小胞体ストレスに抵抗性を示し、逆にBBF2H7をsiRNAでノックダウンした細胞ではストレス感受性が亢進した。in vivoにおける発現を調べたところ、脳梗塞周辺の神経細胞に強い発現が認められた。以上の結果から、BBF2H7は小胞体ストレスを伴う脳傷害時に神経細胞で発現誘導され、ストレスから回避する役割を担っている可能性が示唆された。
2)昨年度開発した小胞体分子シャペロン誘導剤BIXの作用機序について詳細に解析を行った。BIXは小胞体分子シャペロンBiPだけでなく、calreticulin, GRP94も軽度に誘導すること、ATF6ノックダウン細胞でBIXによるBiP誘導能が消失することからBIXはATF6経路に働き、プロモーター領域にERSE (ER stress rcsponse element)を有する遺伝子の発現を誘導することが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] A molecular chaperone inducer protects neurons from ER stress2008

    • 著者名/発表者名
      Kudo T, kanemoto S, Hara H, Morimoto N, Morihara T, kimura R, Tabira T, Imaizumi K, Takeda M.
    • 雑誌名

      Cell death and differentiation 15

      ページ: 364-375

    • 査読あり
  • [雑誌論文] BBF2H7, a novel transmembrane bZIP transcription factor, is a new type of endoplasmic reticulum stress transducer2007

    • 著者名/発表者名
      Kondo S, Saito A, Hino S-I, Murakami T, Ogata M, Kanemoto S, Nara S, Yamashita A, Yoshinaga K, Hara H, and Imaizumi K.
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology 27

      ページ: 1716-1729

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel ER stress transducer, OASIS, expressed in astrocytes2007

    • 著者名/発表者名
      Saito A, Hino S-I, Murakami T, Kondo S, and Imaizumi K.
    • 雑誌名

      Antioxidants & Redox Signaling 9

      ページ: 563-571

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Endoplasmic reticulum stress response in dendrites of cultured primary neurons2007

    • 著者名/発表者名
      Murakami T, Hino S-I, Saito A, and Imaizumi K.
    • 雑誌名

      Neuroscience 146

      ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [学会発表] Diversity of ER stress response2008

    • 著者名/発表者名
      Imaizumi, K.
    • 学会等名
      CINP Pacific-Asia Regional Meeting
    • 発表場所
      Kuala Lumpur, Malaysia
    • 年月日
      2008-03-05
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [学会発表] 小胞体ストレス応答の多様性2007

    • 著者名/発表者名
      今泉和則
    • 学会等名
      千里ライフサイエンスセミナーブレインサイエンスシリーズ第20回「小胞体ストレスと脳神経疾患」
    • 発表場所
      大阪府豊中市
    • 年月日
      2007-09-28
  • [学会発表] ニュータイプの小胞体ストレスセンサーBBF2H7は、障害を受けた神経細胞で発現する2007

    • 著者名/発表者名
      近藤慎一、原 英彰、今泉和則
    • 学会等名
      第50回日本神経化学会大会(Neuro2007)
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      2007-09-11
  • [産業財産権] 軟骨疾患のモデル非ヒト動物2007

    • 発明者名
      今泉和則、日野真一郎
    • 権利者名
      国立大学法人宮崎大学
    • 産業財産権番号
      特許権2007-308884
    • 出願年月日
      2007-11-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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