研究課題/領域番号 |
17200031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (00130245)
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研究分担者 |
山崎 裕一 東京大学, 大学院工学系研究科, 講師 (00322678)
西山 伸宏 東京大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10372385)
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キーワード | がん / 化学療法 / 抗がん剤 / ブロック共重合体 / DDS / 高分子ミセル / がん標的治療 / 細胞内環境応答性 |
研究概要 |
(1)カンプトテシン(CPT)導入ブロック共重合体の合成と高分子ミセルの機能評価 CPTを内包する高分子ミセルを調整するための戦略として、組成の異なるPEG-P(Glu)とPEG-P(Asp)を母体とし、側鎖へのチオール基の導入率を変化させ、チオール化したCPT(CPT-SS)とカップリングさせることにより、側鎖にCPTを有するブロック共重合体を調製した。このブロック共重合体をDMSO中で静置することにより、粒径60・120nmのCPT内包高分子ミセルを調製した。pHに応答してCPTの放出制御が行われれることを検量線法により確認するため、CPTの蛍光特性(Ex=370nm, Em=410nm)に基づき検量線を作成した。次年度には、この成果を基に、培養ガン細胞を用いたin vitro実験および担ガンマウスを用いたin vivo実験により、その有効性の検証を行う。 (2)ペプチドリガンド導入ブロック共重合体の合成と高分子ミセルの機能評価 PEG末端へのペプチド導入については、α末端にアセタール基を有するブロック共重合体を用い、酢酸緩衝溶液中(pH4.0)でペプチドと混合することにより、目的のペプチドが導入されたブロック共重合体を得た。初期の比較実験では、リガンド非導入高分子ミセル、直鎖状RGD及び環状RGDペプチドを導入した高分子ミセルの3種について、αvβ_3インテグリンレセプターを過剰発現するHUVEC細胞を用いて遺伝子導入実験を行ったものの明確なリガンド効果が得られなかったが、ブロック共重合体のアミノ酸連鎖の側鎖に対してチオール基を導入し、高分子ミセル内核に架橋構造を形成し高分子ミセルの構造安定性を向上させたところ、環状RGD導入高分子ミセルにおいて、αvβ3インテグリンレセプターを発現するHeLa細胞に対して迅速に細胞核近傍へ移行し、リガンド非導入高分子ミセルよりも著しく高い遺伝子発現を示した。
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