研究課題
心筋クロスブリッジ動態と冠微小循環についてフィジオミックな研究を行い以下の結果を得た。1. 異なるメカニカルストレス下における細動脈、毛細管血行動態のin vivo可視化とその階層的制御に関する解析肺高血圧右心室(モノクロタリンラット)小動脈(100〜200μm)、細動脈(<100μm)におけるアセチルコリン(Ach)に対する血管反応性は、いずれのサイズの微小血管でも減弱したが、特に細動脈での反応減少が大きかった。この血管階層性による反応の差異は、NOの障害が大きいのに対して過分極因子の機能が代償的に保たれて優れていることに起因した。2. 術中ヒト冠微小血管の可視化川崎医大胸部外科教室(種本教授)との共同研究で、ヒト術中冠小静脈(130±9μm)、細静脈(60±8μm)の可視化に始めて成功し、ニトログリセリン(NTG)に対する血管反応を調べた。いずれの血管でも約10%の有意な血管拡張がみられ、NTGは流出抵抗の低下による毛細管血流増強作用があることが窺われた。3. 心筋アクチン・ミオシン(AM)クロスブリッジ動態と冠循環動態我々は心拍数が増加して拡張期が短くなると心筋灌流が不十分になることを示している(Circulation 1999)。そこで心拍数を増加させたときのAMクロスリッジをSPring-8X線解析でみたところ、Ca^<++>作用時間短縮とともにAMクロスブリッジ形成量が減少し、心筋からの冠血流収縮期搾り出し効果の減少、拡張期吸入効果の減弱が分子レベルで示唆された。4. モデルシミュレーション解析東京大学(久田、杉浦教授グループ)との共同で冠循環の流体相と心筋の固体相からなる多相混合体冠循環モデルを作成した。このモデルを用いて心臓拍動に伴う冠血流のシミュレーションを行い、冠循環の基本的現象を再現した。
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