研究概要 |
平成19年度は脳卒中患者におけるピンポイント経頭蓋磁気刺激と光トポグラフィーによる脳血流測定を統合画像にすることで中枢神経障害リハビリテーションにおけるニューロナビゲーション・システムの構築を完成させることを目的として研究を遂行した。しかしながら光トポグラフィーによる脳血流測定では空間分解能の低さから症状特異的に障害部位を同定することが現時点では不可能であることが判明した。このため、空間分解能に優れたtractgraphyにおける検討を行い、中枢神経障害リハビリテーションにおけるニューロナビゲーション・システムの見直しを行った。 Tractgraphyの撮像条件を検討し、Spin Echo, EPI, Assete, B-value 1000, TR 24000, TE minimum, gradient direction 6, FOV 20cm, matrix 256x256が最適条件であることを解明した。 この条件で脳卒中片麻痺患者のtractgraphyを撮像し解析を行ったところ、東京大学医学部放射線科で開発されたdTVというソフトウェアで小脳歯状核をseedとし、FA<0.25の条件で脳内線維を追跡すると、健常例では片側性投射がおこるのに対し、投射路に病巣があると両側性投射になることが判明した。 上記方法を用いることで、これまで通常の脳MRI画像では評価不可能であった微小病巣の評価が可能であることが頭部外傷後の軸策損傷患者で証明され、脳内微小病巣の発見方法が開発された。 これらの3年間の研究成果を統合し、リハビリテーション医学に必要なニューロナビゲーションシステムの構築を行った。
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