研究課題
1.臍帯における遺伝子発現のグローバル解析と化学物質曝露量評価:臍帯における遺伝子発現と化学物質曝露量との関連を、母体環境も含めて検討するため、双子5組の臍帯の化学物質曝露量評価と臍帯の遺伝子発現のグローバル解析を行った。化学物質の曝露量は、一絨毛膜性、二絨毛膜性を問わず双子間では曝露パターンが似通っていた。同じ臍帯の遺伝子発現をマイクロアレイによるグローバル解析を行い、グラスター解析で遺伝子発現の類似性を調べたところ、一絨毛膜性双子、二絨毛膜性双子、他人の順で遺伝子発現が似通っていた。現在、化学物質曝露と遺伝子発現の関係の解析を進めている。2.臍帯の遺伝子発現を反映する臍帯構成細胞の検討:臍帯における遺伝子発現が臍帯の構成細胞のどの細胞種(組織)の遺伝子発現をどの程度の割合で反映しているのかを検討するため、臍帯組織切片からレーザーキャプチャーマイクロダイセクション法を用いて分取する条件の検討を進めている。3.曝露評価指標物質の検討:公定法をベースに安価に血中総PCB濃度を測定できる系を開発し、200名以上の日本人の総PCB濃度を測定した。新法は精密分析と係数0.625で相関は0.996であった。ほとんどのヒトが新法で1ng/mL以下であった。年齢とPCB濃度に相関が見られ、出産経験のある女性は有意に濃度が低下していた。4.臍帯提供者の追跡調査の開始:産婦人科および小児科と連携し、臍帯提供者(新生児)をフォローアップシステムに登録し、出生時の健康状態および出生後最低3年間の追跡調査を開始した。
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