研究課題/領域番号 |
17201021
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
角田 匡清 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80250702)
篠田 弘造 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (10311549)
佐藤 義倫 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (30374995)
田路 和幸 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10175474)
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キーワード | ポリオールプロセス / 金属ナノ粒子 / 合金ナノ粒子 / 磁性ナノ粒子 / 組成制御 / サイズ制御 / 化学合成 / ソフト磁性粒子 |
研究概要 |
本年度は、ナノ粒子の粒径・構造を変化させる最大の因子である各種ポリオールの還元力の定量化を目的とし研究を行ってきた。まず、各種ポリオールの分子量、構造異性体などの還元力の違いを酸化電位計測により評価することを試みた。しかし、測定上での課題が多く信頼性のあるデータは得ることができなかった。一方でポリオールの還元力を金属およびポリオール間の還元反応を基に分子軌道法計算手法を用いて評価し、実験結果と比較検討を行いそれぞれの合成に最適なポリオール種の選定を行い粒子合成を開始した。 次に、各反応段階において還元剤であるポリオールの変質について核磁気共鳴分析法を用いてモニターすると共に金属生成物の状態を近赤外分光法を用いて分析し、各過程における反応進行の詳細を明確化することを試みている。また、ポリオールプロセス一連の過程の中で、(a)金属イオンの溶解、(b)前駆体の生成・溶解過程がその鍵を握ると考えられる。それらの過程に添加剤が及ぼす効果のメカニズム解明ならびに対象とする金属類それぞれに最適な添加剤の選定について研究を行っている。その研究の一環として、ポリオール中での金属塩が溶存状態やそれらの還元反応に添加剤の一種である水酸化イオンが与える影響を紫外線-可視分光光度法用いての特定を試みている。そこで、添加剤として水酸化イオンが触媒的働きをすることが確認できたが、錯体の特定などの重要課題が残っている。 さらに、ポリオールプロセスのメカニズムの解明をすると同時に今までの経験を生かして多機能ナノ粒子の設計および合成を試みた。その結果、世界で始めてポリオールプロセスを用いて組成、形状、サイズを自由に制御できるFeCoの合成に成功した。その材料・技術の特許は申請中である。また、そこで得られた粒子のナノ構造体を原子間力顕微鏡を用いて評価している。
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