研究課題
基盤研究(A)
3年間の本研究期間の間に、収差補正技術を使った構造ゆらぎの新しい計測法に関わる以下の研究課題をおこない、原著論文19報、国際会議プロシーディングス24報、解説4編および分担執筆も含めた単行本5冊を刊行した。(1)球面収差TEMによるランタン系次世代high-κ材料とシリコン結晶との界面を0.2nm以下の分解能で観察し、新界面層の存在を実証した。(2)球面収差STEMを用いて、上記酸化ランタン/シリコン結晶界面の各元素の組成分布のゆらぎを世界で初めて計測した。(3)単層炭素ナノチューブを収差補正TEMで観察し、世界で初めて一層のグラフィンを構成する炭素六員環を可視化した。この成果は朝日新聞をはじめ3種の全国紙に掲載された。(4)光触媒酸化チタンに低酸素下で光を照射したときに生ずる酸素欠陥構造を収差補正TEMで可視化し、その構造がラーベス相類似であることを解明した。(5)AlNiCo系準結晶を収差補正TEMとSTEMでA1原子までを可視化し、その構造ゆらぎと安定性を研究した。(6)シリコン上に成長させたゲルマニウムの量子ドットの構造解析に球面収差補正TEMとSTEMを適用し、ゲルマニウムドットの下に存在する、ゲルマニウムを含む1-2原子層厚さの新界面層を世界で初めて報告した。
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http://sirius.cirse.nagoya-u.ac.jp/~tanakalab/messages/index.html