研究課題/領域番号 |
17201029
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 庸夫 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90374610)
|
研究分担者 |
有田 正志 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20222755)
雨宮 好仁 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80250489)
猪川 洋 NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主幹研究員 (50393757)
西口 克彦 NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究員 (00393760)
|
キーワード | 少数電子素子 / 量子ドット / 省エネルギー / 電子デバイス・機器 / ナノ材料 |
研究概要 |
ナノドットアレイによる多入力・多出力機能性デバイスを目指して、提案した金属を用いたナノドットアレイ構造とリソグラフィーを用いて設計した半導体Siナノドットアレイ構造の実験的検討を開始し、同時にデバイス機能が提案通り発現可能であるかどうかを確認するためのシミュレーションによる検討を行った。 1.ナノドットアレイデバイスの作製プロセス ナノ構造デバイスの電気特性を評価するためには、ナノ構造電極を配置した構造の作成が不可欠であり、その構築に向けて、電子ビーム露光とリフトオフによるナノ電極ならびにナノドット構造体のパターン形成プロセスを立ち上げた。 2.ナノドットアレイの作製 金属ナノドットアレイの作成に関して、真空蒸着法とグラニュラー膜による方法の2種類を検討した。途中経過であるが、真空蒸着法ではドットサイズを10nm以下のサイズに制御するための金属の表面マイグレーション制御が難しいことが判明した。また、グラニュラー膜では5nm程度のナノドットアレイが作成できることが判明し、その基本的特性の確認に着手したところである。 3.シミュレーションによる動作の確認 今回提案したナノドットアレイデバイスが、思惑通りに動作するかを確認するため、単電子の確率的トンネル現象を考慮したモンテカルロシミュレーション法によるシミュレータを構築した。本研究提案の本質であるナノドットのランダムなサイズ揺らぎを導入し、2入力ゲートと1個の制御ゲートを有する最も単純な6ドットを配置したアレイ構造を仮定して特性シミュレーションを行った。その結果このデバイスで、2入力の重要な論理関数を、制御ゲートの電圧を変えることで全て表現可能であることを明らかにした。ランダムネスを導入しているため、多少のマージンが必要であるが、アレイサイズを大きくする(ドット数増やす)ことで十分であることから、提案のデバイスが機能することが判明した。
|