研究課題/領域番号 |
17201031
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船津 高志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (00190124)
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研究分担者 |
三田 智文 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (30187306)
角田 誠 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (10323453)
上野 太郎 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (80376590)
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キーワード | セルソーター / 1分子計測 / μTAS |
研究概要 |
生体分子や超分子複合体などの微小な生体物質をガラスチップ内の微小流路(入り口が1つ、出口が2つの流路;流路幅30μm、深さ5μm)に流し、個々の標的分子を高感度に検出し、分離・回収することのできるマイクロソーターを開発している。このソーターによる分離では、キャリア溶液に、37℃を境に高温でゲル、低温でゾルと可逆的な相転移を起こす熱感受性ハイドロゲル(メビオールゲル)を加え、生体試料とともに微小流路に流す。単離すべき生体物質をGFP(緑色蛍光タンパク質)などで蛍光標識しておき、それらが発する蛍光を1分子蛍光顕微鏡に取り付けた光電子増倍管によって検出する。赤外レーザーの局所加熱によって分岐した流路の一方にゲルによる栓(ゲルバルブ)を形成させ、その位置をスキャナーミラーを用いて切り替えることによりミリ秒の時間分解能で流れを制御し、蛍光標識した生体分子を分離する。今年度は、このソーターの性能を試すため、GFPとRFPを発現する大腸菌を流路に流し、GFPを発現する細胞のみを回収した。高速度カメラで解析した結果、ゲルの開閉時間は3ミリ秒であることが解った。レーザーによる流路の切り替えにより、120ミリ秒で細胞を分離・回収することができた。この方式では物理的なバルブを必要とせず光の切り替えだけで分離を行うので6時間以上の安定した運転が可能だった。1回の操作で4万個以上の細胞を分離・回収することができた。
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