研究分担者 |
宮田 雄一郎 山口大学, 理学部, 教授 (60253134)
千木良 雅弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (00293960)
徳永 朋祥 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70237072)
嶋田 純 熊本大学, 理学部, 教授 (80206169)
金折 裕司 山口大学, 理学部, 教授 (60194883)
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研究概要 |
泥火山の活動に関与する異常間隙水圧層の形成・上昇メカニズムと広域地下水流動、自然災害に及ぼす影響についての検討のため新潟県十日町市において地下水調査、物理探査、地形調査を実施するとともに,台湾南部の泥火山の現地調査を行った。得られた主な成果は以下の通りである。 1.十日町市蒲生周辺の地下水位測定,水質分析,同位体分析を行い,異常間隙水圧によりもたらされた情報へ向かう地下水流動と地形に従った下方へ向かう地下水流動とが混合せず地下で平衡状態にあることを明らかとした。 2.地下水位の分布状況や予想される地下水ポテンシャル分布から,調査地域に発達する地すべりの誘引として異常間隙水圧層により押し上げられ,地下水位が尾根部にもかかわらず高くなっていることが考えられることを明らかとした。 3.新たに,3側線のCSAMT法探査を行い,地下約800mまでの比抵抗分布を明らかとし,高塩水地下水,ガス,泥の流動経路と泥チャンバーの分布構造を明らかとし,それらが地質構造や岩相分布に支配されていることを明らかとした。 4.異常間隙水圧層の影響を受けた地域の抽出のため,レーザースキャナー探査により泥火山地域を含む120km^2範囲の詳細な地形情報を得た。 5.台湾南部の泥火山分布地域において,地表地質調査および地下水の採取を行い,酸素水素同位体分析を行い,泥火山から噴出する高塩水は化石海水であることを明らかとした。また,バッドランドの地質調査を実施し,岩盤劣化の解明のために岩石試料を採取した。さらに,古亭丹層の柱状図を作成するとともに,密度や埋没深度の検討のために岩石試料を採取した。
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