研究課題/領域番号 |
17201039
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田中 和広 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80335760)
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研究分担者 |
宮田 雄一郎 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60253134)
千木良 雅弘 京都大学, 防災研究所, 教授 (00293960)
徳永 朋祥 東京大学, 大学院・新領域創生科学研究科, 准教授 (70237072)
中田 英二 電力中研究所, 地球工学研究所, 主任研究員 (20371403)
金折 裕司 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60194883)
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キーワード | 泥火山 / 異常間隙水圧層 / 膨潤性地山 / マッドダイアピル / 自然災害 |
研究概要 |
1.平成18年度に掘削したボーリングコアの観察、地下水分析(水質・同位体)、スレーキング試験を実施し、異常間隙水圧層の上昇過程とマッドブレッチャーの形成について明らかとし、鍋立山トンネルの膨潤性地山の形成が流体の上昇による粘土化、塩水に飽和した地下水による粘土鉱物の膨潤およびガス圧によるものであることを明らかとした。また、田辺層群に泥火山噴出物の分布を明らかとした。 2.ボーリングコアに見られるマッドブレッチャーの解析によりマッドチャンバーで脱ガスしたメタンのガス圧が上昇し上方で水圧破砕にマッドブレッチャーを形成し、両翼部において上昇し、地表に至り、泥火山を形成したことを明らかとした。 3.台湾、新潟の泥火山より噴出する地下水の化学特性を明らかとし、地下水がガスハイドレートと海水との混合で説明できることを明らかとし、泥火山の形成にガスハイドレートが係わっている可能性を得た。 4.急速な岩盤風化と侵食の著しい台湾の月世界において、斜面表層で試料を採取してX線CTスキャン、硬度、間隙率、間隙径、密度、電気伝導度、pHの分析を行った。また、斜面に侵食ピンを設置し、侵食速度を計測した。その結果、斜面表層から10cm程度の深さにCT値の急変する部分があることやその他の物性値に系統的な変化があることを見出した。侵食速度では、約40日で10cm表層が侵食されるという驚異的な結果が得られた。 5.泥火山の直下に掘削されたボーリング孔内において熱電対を4m間隔に設置し、1時間間隔で温度データの計測を行い、地下温度の長期的な変動傾向には、深度によって違いが見られることから、泥火山の活動性に関する情報を得られる可能性を得た。
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