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2007 年度 実績報告書

コムギ近縁野生種を用いたユーラシア広域分布種の遺伝的多様性解析

研究課題

研究課題/領域番号 17201045
研究機関京都大学

研究代表者

河原 太八  京都大学, 農学研究科, 准教授 (20115827)

研究分担者 安井 康夫  京都大学, 農学研究科, 助教 (70293917)
宅見 薫雄  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50249166)
松岡 由浩  福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (80264688)
山根 京子  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (00405359)
笹沼 恒男  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教 (70347350)
キーワードユーラシア広域分布種 / 遺伝的多様性 / コムギ近縁野生種 / 適応的形質 / 葉緑体ゲノム / 核ゲノム / タルホコムギ / 出穂反応性
研究概要

タルホコムギにおいて出穂開花時期に幅広い変異が認められたので,210系統の開花日数変異データと各系統の採集地点の気候データを使い,開花日数変異に影響を及ぼしている環境要因の推定を試みた。重回帰分析を行なったところ,タルホコムギの分布域の東部(トルクメニスタン以東)では,冬期気温が開花日数変異に大きく影響していることが分かった。これに対し分布域の西部(トルクメニスタン以西)では,日長が開花日数変異に影響する主要因のひとつと推定された。これらの結果から,タルホコムギの開花日数変異は,分布域の東部と西部で異なる遺伝的メカニズムを通じて進化したと考えられる。また見出された春化要求性を失った系統のうち20系統で,コムギの春化要求性を制御するVrn-1座について塩基配列を決定したところ,イランの系統に最も広い変異が認められたが,それ以外の地域の系統では顕著な遺伝的変異がみられなかった。
同様に乾燥耐性にも幅広い変異が認められる。この乾燥耐性の変異にはABAへの感受性の関与が示唆されるので,乾燥とABAの両方に応答する転写因子WDREB2とWDBF1をコードする2つの遺伝子,及びその下流に位置する遺伝子Wcor615についてタルホコムギのゲノム配列を単離し,その構造を決定した。分布域を網羅する30系統のタルホコムギについて,これら3遺伝子座の塩基配列を決定したところ,Vrn-1座の塩基配列で作成した系統樹とは異なった種内分化パターンを示した。このことから,対象とする遺伝子によってタルホコムギの種内分化は,異なったパターンを示すことが明らかになった。
またタルホコムギ近縁種を対象に,核および葉緑体の塩基配列による多様性解析を試みた。いずれの場合も効率よく解析を行うことが出来たので,それらの結果について学会発表を行った。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Natural variation for fertile triploid F1 hybrid formation in allohexaploid wheat speciation.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka Y, Takumi S, Kawahara T
    • 雑誌名

      Theoretical and Applied Genetics 115

      ページ: 509-518

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 栽培植物進化遺伝学への招待2007

    • 著者名/発表者名
      松岡 由浩
    • 雑誌名

      細胞工学別冊・植物細胞工学シリーズ 23

      ページ: 136-143

  • [雑誌論文] 栽培植物の分子系統学2007

    • 著者名/発表者名
      松岡 由浩
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 52

      ページ: 1937-1941

  • [雑誌論文] コムギの栽培化とパンコムギの成立:種内分化と異質倍数化による多様性2007

    • 著者名/発表者名
      宅見 薫雄
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 52

      ページ: 1947-1952

  • [学会発表] Uゲノム特異的PCR増幅断片U31の塩基多型に基づく四倍性エギロプスにおけるUゲノムの多起源性2008

    • 著者名/発表者名
      笹沼恒男・廉隅紗代・山際宏昭・河原太八
    • 学会等名
      日本育種学会第113回講演会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] コムギおよびその近縁種の分類と系統進化2007

    • 著者名/発表者名
      河原 太八
    • 学会等名
      日本育種学会第112回講演会シンポジウム
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 祖先野生種タルホコムギの種内多様性とその育種的利用に向けて2007

    • 著者名/発表者名
      宅見 薫雄
    • 学会等名
      日本育種学会第112回講演会シンポジウム
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] タルホコムギの開花変異について2007

    • 著者名/発表者名
      松岡由浩・宅見薫雄・河原太八
    • 学会等名
      日本遺伝学会第79回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2007-09-20
  • [学会発表] コムギDゲノム特異的CBF低温誘導性転写因子WCBF2の分子集団遺伝学的解析2007

    • 著者名/発表者名
      宅見薫雄・広瀬志津子・松岡由浩
    • 学会等名
      日本遺伝学会第79回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2007-09-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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