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2005 年度 実績報告書

アブラハム的伝統の臨界:三大一神教の哲学、神学・政治論とその外部の地域文化研究

研究課題

研究課題/領域番号 17201047
研究機関東京大学

研究代表者

大貫 隆  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90138818)

研究分担者 北川 東子  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40177829)
黒住 真  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00153411)
杉田 英明  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90179143)
増田 一夫  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70209435)
村田 雄二郎  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70190923)
キーワード宗教 / 政治 / 一神教
研究概要

1.今年度は,研究の方向を確認するための情報交換の場として,総合文化研究科において2回の研究会を開催した。第1回(10月19日)は研究代表者・大貫隆による基調報告「アブラハム伝承」,第2回(12月22日)は研究分担者・増田一夫の「「最後のユダヤ人」における「赦し」-デリダとキリスト教」である。
2.基調報告においては,「創世記」第15章で神がアブラハムに与えた子孫繁栄と土地贈与の約束にアブラハム伝承の原点があること,「創世記」から「列王記」に至るまでのいわゆる「九書」を編纂した史家にとって,この約束こそがイスラエル救済史全体を束ねる最上位のテーマとなったことがまず確認された。さらにこの背景に照らし,洗礼者ヨハネの宣言(「マタイ福音書」3,9)の革命性,イエスやパウロにおける「異邦人」への視野の拡がりが指摘された。
3.第2回研究会では,現代フランスにおける「ユダヤ系」思想家の一人,ジャック・デリダの思想を取り上げ,彼がアブラハム的伝統において識別する2種類の「赦し」,すなわち無条件的赦しと条件付き赦しの問題を,「ユダヤ性」の観点から整理した。報告後の討論では,現代のいわゆる戦争責任や戦後補償の問題までも含め,活発な意見交換がなされた。
4.以上の研究会とは別個に,研究分担者・黒住眞が刊行した新著『複数性の日本思想』の「II日本思想とキリシタンの出会い」においては,アブラハム的伝統と日本人との最初の遭遇の様相が精緻に分析された。

研究成果

(7件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 図書

  • [雑誌論文] 「主人」と「奴隷」の解放-グローバリゼーションの弁証法2006

    • 著者名/発表者名
      増田 一夫
    • 雑誌名

      心と身体の世界化 心の危機と臨床の知(港道隆編) 7

      ページ: 151-169

  • [雑誌論文] まだ見ぬ隣人2005

    • 著者名/発表者名
      大貫 隆
    • 雑誌名

      清泉女子大学キリスト教文化研究所年報 13巻

      ページ: 87-103

  • [雑誌論文] 孫中山与辛亥革命時期的"五族共和"論2005

    • 著者名/発表者名
      村田 雄二郎
    • 雑誌名

      広東社会科学 2004年5期

      ページ: 121-128

  • [雑誌論文] 太田修司氏の論評に答える2005

    • 著者名/発表者名
      大貫 隆
    • 雑誌名

      ペディラヴィウム 57号

      ページ: 31-68

  • [雑誌論文] 対談書評・R.ブルトマン著/杉原助訳『ヨハネの福音書』2005

    • 著者名/発表者名
      大貫 隆
    • 雑誌名

      本のひろば 7月号

      ページ: 2-9

  • [雑誌論文] イエスのリテラシー 初期ユダヤ教の枠内で2005

    • 著者名/発表者名
      大貫 隆
    • 雑誌名

      地中海世界における社会変動と識字率(科研費報告書)

      ページ: 50-67

  • [図書] 複数性の日本思想2005

    • 著者名/発表者名
      黒住 眞
    • 総ページ数
      568
    • 出版者
      ぺりかん社

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2016-04-21  

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