研究課題
1.第2年目に当たる平成18年度は、主題に沿った研究の具体的な研究活動として、「ジャン・ルク・ナンシーの『無・無神論』をめぐって」(Autour de l' 《A-atheisme》 de Jean-Luc Nancy)と題するシンポジウム(4月15日)と研究分担者による共同討議(9月27日)を開催した。2.シンポジウムは東京大学総合文化研究科・21世紀COEプログラム「共生のための国際哲学交流センター」(UTCP)との共催で行われた。ジャン・ルク・ナンシー氏本人の他に、学内から増田一夫、小林康夫、湯浅博雄、学外から西谷修、鵜飼哲氏をパネリストとして迎えて、活発な議論が交わされた。事前の準備および当日の司会(フランス語)には研究分担者である増田一夫が中心になって当たった。3.メンバーによる共同討議では研究代表者・大貫隆が編著者の一人である『一神教とは何か-公共哲学からの問い』(大貫隆/金泰昌/黒住眞/宮本久雄編、東京大学出版会、2006年3月)に収録された二つの論考「救済史の物語と神義論 一神教の落とし穴」(大貫隆)、「日本思想における『一神教的なもの』」(黒住眞)を取り上げた。それぞれの執筆者が自分の論旨を要約して報告した後、参加した研究分担者で質疑応答と踏み込んだ意見交換を行った。4.以上の活動とは別に、該当年度内に研究分担者が発表した論文の中では、次のものが本基盤研究の主題を直接あるいは間接に取り上げている。杉田英明「アラビアン・ナイトの『発見』-ヨーロッパ世界の東方幻想」(草光俊雄・宮下志朗編『地域文化研究III ヨーロッパの歴史と文化』放送大学教育振興会、2007)、増田一夫「統合の臨界 『人種』なき共和国フランスの試練」(Odysseus総合文化研究科地域文化研究専攻紀要11号、2006)、安岡治子「ゾシマ長老と東方キリスト教」(東方キリスト教学会編『エイコーン』33号、2006).
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外国語研究紀要 第11号(東京大学大学院総合文化研究科・教養学部外国語委員会) 11号
ページ: 1-68
エイコーン-東方キリスト教研究- 33
ページ: 29-50
ロシア・東欧研究(ロシア・東欧学会年報) 34号
ページ: 26-36
Odysseus総合文化研究科地域文化研究専攻紀要 11号
ページ: 65-84
芸術文化 11号
ページ: 3-15
季刊 アラブ(日本アラブ協会) 118,119
ページ: 18-20,30-32