研究課題/領域番号 |
17202005
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研究機関 | 独立行政法人国立博物館東京国立博物館 |
研究代表者 |
松原 茂 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 上席研究員 (50000352)
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研究分担者 |
沖松 健次郎 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 文化財部・企画課出版企画室, 主任研究員 (30332133)
若杉 準治 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸課, 列品管理室長 (20150039)
村重 寧 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40000319)
澤田 むつ代 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 上席研究員 (40215918)
和田 浩 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 文化財部・保存修復課環境保存室, 研究員 (60332136)
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キーワード | 聖徳太子絵伝 / 法隆寺献納宝物 / 絵絹 / 高精細画像 / 蛍光画像 |
研究概要 |
本年度は、法隆寺献納宝物「聖徳太子絵伝」全10面のうち、主に第5面と第6面を調査対象とした。肉眼による原本の詳細な調査を、研究分担者とともに3度(東京国立博物館法隆寺献納宝物特別調査1回を含む)にわたって、入念に行った。図様の確認と場面比定は、17年度に調査した法隆寺東院絵殿に現在はめ込まれている吉村周圭の模本及び他の聖徳太子絵伝の図版との比較を参考に、過去の研究を検証しながら行った、あわせて、画面各所に書き込まれた銘文の翻刻と出典との異同の確認を行った。 各面の全図と15分割の部分図をカラーポジフィルムで撮影の上、紙焼きし、実査の助けとした。 新たに第1面から第6面までの各面を32分割(レンズの収差を補正するため、実際は各面153カット)で撮影した高精彩デジタル画像を、連結して6面分の大画像を製作した。17・18年度にデジタル化したX線写真を同様に連結して、第1〜10各面の大画像を製作し、デジタル撮影の全図と対照できるようにした(一部20年度に継続)。 当初の図様を技法的に判断する拠り所とするため、比較的制作年代が近く、「聖徳太子絵伝」と同じく綾地に描かれた「子島曼茶羅図」(子島寺蔵、10〜11世紀)および綾地の「毘沙門天像」(知恩院蔵、12〜13世紀)を、奈良国立博物館において詳細に調査した。また、「春日権現験記披見台」(春日大社蔵、14世紀)の裏に貼られた立涌文の綾を調査した。 17年度に調査した第1,2面の図様構成を検討・確認し、調査概報(A4,88頁)に収録した(東京国立博物館経費による)。従来、10面からなる特大画面の詳細な図版が公刊されていなかったため、今年度から始まった概報公刊が寄与するところは大きいと思われる。
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