研究概要 |
1.2回の全体集会を開催し、本共同研究の成果のとりまとめや共有方法、本研究を引き継ぐ新たな共同研究の課題と方法について討議した。その結果、本研究グループを発展的にさらに拡大して、18-19世紀のユーラシアにおける文化交流を主たるテーマとする新たな研究計画を策定することとなり、日本学術振興会に補助金を申請することになった。 2.研究代表者の羽田は、本研究で得られた知見をもとに、フランスCNRS研究者グループとのシンポジウムで新しい世界史構築を提案する報告を行った。多くの有益な議論があり、平成21年度以後の新しい研究計画においては、フランス人グループの責任者であるF. Gipouloux氏と緊密な研究協力体制を取ることになった。 3.研究代表者の羽田は、パリ、ロンドン、アムステルダムでアジア海域関係の資料調査を行うとともに、2009年冬に開催予定の第2回広州・長崎比較会議のテーマや参加者について、Blusse教授らレイデン大学関係者と意見調整を行った。 4・英文図書Asian Port Cities 1600-1800, Local and Foreign Cultural Interactions(Edited by Haneda Masashi, NUS Press & Kyoto University Press, 2009)の出版 この書は、本共同研究の大きな成果の一つである。2007年秋に東京で開いたワークショップでの報告に、同年冬に広州・マカオで開催された国際会議のペーパーのうちから関連するものを加えて編まれた論文集で、冒頭に研究代表者がアジアの港町研究の方法と可能性について論じている。研究目的と方法を共有する国内外の10人の研究者が実際に会議で報告と議論を行った上で、その成果をまとめて出版したものであり、日本人研究者が主導した国際共同研究の一例として、重要な意義を持っている。
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