研究課題/領域番号 |
17202014
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
南塚 信吾 法政大学, 国際文化学部, 教授 (50055315)
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研究分担者 |
下斗米 伸夫 法政大学, 法学部, 教授 (80112986)
加納 格 法政大学, 文学部, 教授 (80204593)
伊集院 立 法政大学, 社会学部, 教授 (30091854)
今泉 裕美子 法政大学, 国際文化学部, 教授 (30266275)
佐々木 直美 法政大学, 国際文化学部, 准教授 (90328914)
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キーワード | アフリカ / ラテンアメリカ / 新自由主義 / 社会主義 / 構造改革 / ユーラシア / IMF / 金融危機 |
研究概要 |
今年度は、アフリカおよびラテンアメリカから見た1980年代を中心に研究した。その結果判明した事実は以下のとおりである。すでに1970年代後半からまずはアフリカにおいて新自由主義に基づく「構造改革」が、IMFなどの国際機関の主導で導入され、規制緩和、金融自由化、民営化、市場化の政策が進められた。その結果、すでに動揺しつつあったアフリカの社会主義は1980年代にはすべて崩壊することになった。ほとんど同じく1970年代後半から、一部ラテンアメリカにおいても、新自由主義の政策が導入され、ラテンアメリカの社会主義も崩壊した。1980年代には新自由主義はラテンアメリカ全体に広がって、1980年代にはラテンアメリカからも資本の逃避がおこり、金融危機が深刻化した。こうして、1980年代初めには、社会主義を掲げる体制はユーラシア大陸に狭められ、新自由主義の支配する世界が広がった。こうして、1979年におけるユーラシアでの三つの出来事、つまり、中越戦争、ソ連のアフガン侵入、イラン革命を契機として、ユーラシア大陸においても、社会主義の体制が崩壊していくことになる。1980年代の末から1990年代の初めには、ソ連を含むヨーロッパの社会主義体制は崩壊し、中国とベトナムの社会主義は「市場化」されることになる。本年度をもって「1980年代世界の同時代史的研究」は終了した。この研究においては、地球的規模で、大陸間の相互関係において、世界史を考えるという方法を体験することができた。1989年の東欧革命、1990年の湾岸戦争を招いた歴史的要因を探るということが、当初の目的であったが、そのためにはまさにグローバルな諸関係を見定めていかねばならないことを学んだ。
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