研究課題/領域番号 |
17202020
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研究機関 | 奈良大学 |
研究代表者 |
白石 太一郎 奈良大学, 文学部, 教授 (60150017)
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研究分担者 |
酒井 龍一 奈良大学, 文学部, 教授 (00153859)
植野 浩三 奈良大学, 文学部, 助教授 (80140474)
千田 嘉博 奈良大学, 文学部, 助教授 (70226695)
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50189958)
岸本 直文 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80234219)
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キーワード | 考古学 / 日本史 / 古墳群 / 前方後円墳 / 王権 |
研究概要 |
のちに畿内と呼ばれる近畿地方中央部には、現在宮内庁が仁徳天皇陵に比定している大阪府堺市の大仙陵古墳を含む百舌鳥古墳群、同じく応神天皇陵になっている同羽曳野市・藤井寺市の誉田御廟山古墳を含む古市古墳群など巨大な前方後円墳が数多く営まれた大型古墳群がいくつか存在する。本研究は、こうした近畿の大型古墳群のうち特に巨大な前方後円墳を含む大阪府域の古市・百舌鳥両古墳群を取り上げその地域の都市化以前の航空写真に基づいて大縮尺の旧地形図を作成し、これを学界の共有財産として多くの研究者の利用に供するとともに、あわせてこの地形図を基に両古墳群の形成過程や古墳群内の個々の古墳の相互関係などを検討し、両古墳群にかかわる情報を整理し、両古墳群の近畿の大型古墳群中に占める位置や、その成立・展開の歴史的な意味を追求しようとするものである。 初年度にあた17年度は、昭和21年に米軍が撮影した航空写真により、古市古墳群主要部の縮尺2、500分の1の地形図8葉分を作成することができた。この地形図を活用した古墳群の研究は次年度以降の課題であるが、本年度は関係地方公共団体で文化財の調査研究にあたられている研究協力者の参画をえて、古市・百舌鳥両古墳群の主要古墳出土の円筒埴輪の編年研究の最新の成果を整理・検討した。その結果、両古墳群の主要古墳の相対的な編年についてほぼ統一的な見解をえるとともに、さらに意見の相違点や残された問題の所在を明確にすることが出来た。 次年度は、古市古墳群全域の地形図作成を終えるとともに、百舌鳥古墳群の地形図作成を開始し、あわせて両古墳群について多方面からの分析的研究を進める予定である。
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