研究課題/領域番号 |
17203001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 久和 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 名誉教授 (70283380)
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研究分担者 |
杉浦 一孝 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40154463)
森際 康友 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40107488)
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キーワード | 基礎法学 / 法社会学 / 法意識調査 / 体制移行 / 土地法 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究は、モンゴル国における土地法制、とりわけ土地私有化をめぐる諸問題を法社会学的な観点から研究し、モンゴル国における土地をめぐる紛争と環境破壊の防止に貢献することを目指した。 モンゴル国では1990年の民主化以後、政治的民主化と市場経済化をめざす改革が開始され、2002年には土地私有化法が採択された。モンゴル国は遊牧を基幹産業とする世界でも数少ない国であり、そこに土地の私的所有権制度を導入するということは、遊牧文明を転換するということを意味するが、土地私有化の是非やその方法に関して十分に議論をすることなく、アジア開発銀行等の国際金融機関の強力な後押しを受けて当時の与党が当該法案を強行採決したために、土地私有化反対運動が発生した。そこで本研究では、モンゴル国の土地法制の問題点、都市と地方における紛争の実態、土地利用の慣行調査・法意識調査をモンゴル国の研究者と共同研究し、それを踏まえてモンゴル国の法学者が土地法制の改革案を提言することに協力をすることをめざした。今年度の研究成果は、以下の通りである。 1) 土地法・土地私有化法の影響について調査するために、研究期間内に牧地・定着過程にある牧地・農地・都市部・鉱山の5つの地域に分けてモンゴル人研究者と共同で実態調査を行ってきたが、そのとりまとめの最終調査を実施した(平成20年5月〜8月)。 2) 実態調査の結果について分析するための研究会を日本国内で開催し、調査結果の成果とりまとめに向けての準備を行った(平成20年5月〜8月)。 3) 調査結果の報告会をモンゴル土地管理局・モンゴル国立大学・モンゴル国立法律センターと共同でモンゴル国立法律センターにて開催した(平成20年9月)。 4) 実態調査の結果と分析について報告書を刊行するための作業を行った(平成21年1〜3月)。
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