研究課題/領域番号 |
17203014
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田畑 伸一郎 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10183071)
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研究分担者 |
上垣 明 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
中村 靖 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (60189066)
塩原 俊彦 高知大学, 人文学部, 助教授 (60325397)
服部 倫卓 上智大学, 外国語学部, 非常勤講師 (70407386)
久保庭 真彰 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70111698)
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キーワード | ロシア経済 / 資金循環 / 独立国家共同体 / 国際研究者交流 / ロシア / 石油 / 天然ガス |
研究概要 |
1.ロシアの鉱物資源(石油、石油製品、天然ガス)輸出で得られる収入の資金循環にとくに注目し、これがロシアの経済成長にどのように寄与したかについての統計分析を進めた。そして、石油価格の上昇がロシアのGDP成長率にどのような影響を与えるかを明らかにした。このために、とくに、生産部門別、支出項目別のGDP統計を詳細に分析した。 2.財政収入に関わる資金循環については、ロシアの石油、天然ガス、石油製品の税制度を詳細に分析し、石油価格の上昇と税収との関係を明らかにした。また、石油価格水準に依存する安定化基金について、制度と統計の分析を行った。 3.対外経済関係に関わる資金循環については、とくに、国際収支表、貿易、外国投資などの統計分析を緻密化した。これらの統計の分析と制度についての詳しい分析により、対外経済関係に見られるロシア資本主義の特異性を明らかにした。制度の分析としては、今後の地域別分析を念頭において、経済特区制度の調査・分析も行った。 4.特異な資金循環をもたらす要因の1つである石油・ガス部門の企業構造についての分析を深め、垂直統合型企業の行動様式を明らかにした。この関係で、石油、石油製品、ガスについて価格構造の統計を検証・分析した。企業構造については、鉄鋼業部門についても分析を行った。 5.石油・天然ガスを中心とするロシアとCIS(独立国家共同体)諸国との関係について研究を進めた。石油・天然ガスに関わるこれらの諸国との関係が、石油・天然ガス部門の企業構造にも関連して、極めて特異であることを明らかにした。 以上の研究成果は、スラブ研究世界大会(ベルリン)、米国スラブ学会(ソルト・レイク・シティ)などの国際会議で発表し、一部は、国際学術雑誌等にも発表した。
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