研究課題/領域番号 |
17203014
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田畑 伸一郎 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10183071)
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研究分担者 |
上垣 彰 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70176577)
中村 靖 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (60189066)
塩原 俊彦 高知大学, 人文学部, 助教授 (60325397)
服部 倫卓 上智大学, 外国語学部, 非常勤講師 (70407386)
雲 和宏 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (70314896)
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キーワード | ロシア経済 / 資金循環 / 独立国家共同体 / 国際研究者交流 / ロシア / 石油 / 天然ガス |
研究概要 |
1.前年度に引き続き、ロシアの石油・ガス輸出収入の資金循環を統計的に分析し、とりわけ、この収入増加のGDP成長に対する影響を詳しく分析した。 2.財政収入に関わる資金循環については、ロシア財務省が2006年に初めて公表した石油・ガスからの税収データを詳細に分析した。原油価格高騰による原油採掘税と原油輸出関税の増収分が繰り入れられているロシア連邦安定化基金について、その大きさやロシア経済のなかで果たしている役割を分析した。 3.貿易データの分析を通じて、ロシアの比較優位を明らかにすることにより、石油・ガスの輸出がロシア経済にもたらしている影響について、さらに深く解明することができた。比較優位の分析をロシアとCIS(独立国家共同体)域外諸国との貿易、CIS諸国との貿易に分けて行うことにより、ロシアの「真の」比較優位を明らかにすると同時に、CIS諸国との貿易が有するロシア経済にとっての意義を解明することができた。 4.ロシア経済の資金循環の源泉となっている石油・ガスの生産と輸送の問題について、多角的な分析を行った。とくに、パイプライン輸送に関連して生じたロシアと近隣諸国との軋礫を統計、政治経済、国際関係などの視点から分析した。この問題の解明は、ロシアの石油・ガス企業の特異な企業構造・行動の理解につながり、ロシア資本主義についての理解を深めることができた。 5.これまでの研究成果を北海道大学スラブ研究センターの英文叢書(Slavic Eurasian Studies)として出版した。同書は、英国王立国際問題研究所のInternational Affairs誌(Vol.83,No.2,2007)の書評で高く評価された。 6.以上の研究成果は、米国スラブ学会(ワシントンDC)などの国際会議で発表し、一部は、国際学術雑誌等にも発表した。
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