平成20年度は、共同研究者の塩野谷祐一と共編でMarshall and Schumpeter on Evolution. Economic Sociology of Capitalist Developmentの出版準備を進め刊行にこぎつけた。また、Roger Backhouseと共編でNo Wealth but Life. Welfare Economics and the Welfare State in Britainの出版準備、および日本語の『創設期の厚生経済学と福祉国家』の出版に向けて研究会を重ねた。前者では、マーシャルとシュンペーターにつぃて、歴史学派を介在させ進化・発展の観点から両者の社会科学的思考の現代的意義を明らかにしようとした。また後者では、ロビンズのピグー批判以前の時期を中心に、創設期の厚生経済学について、ケンブリッジだけでなくオクスフォードやLSEの経済思想を含めて、その多元性・多様性の実態を、イギリス福祉国家の形成との関連で深めようとした。平成19年度のコンファレンス"Marshall and Marshallians on Industrial Economics"についても、その成果を刊行する準備を進めた。また平成20年度は、日本とヨーロッパの経済学史研究者を中心にコンファレンス“The Dissemination of Economic Ideas"(3月20-22日)を行い、大きな成果を収めた。この成果についても刊行を目指して準備を進めている。
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