研究概要 |
本科研費の研究課題について,各研究参加メンバーは平成18年度に以下の作業を行った。 1.平成13〜16年科研研究の成果である,1913年以前のポンドを中心とした国際金本位制下の国際銀行業の構造と特徴を,引き続き分担して英訳した。 2.ロンドン・ギルドホール図書館所蔵のギレット・ブラザーズ商会およびナショナル割引商会の資料を収集して,ロンドン割引市場における英系海外銀行と割引商会間の手形取引の実態を分析した。 3.香港上海銀行本店史料室およびロンドン大学SOAS図書館において収集した香港上海銀行ロンドン支配人David McLeanおよび銀市場関係文書を,引き続き分析した。 4.英国公文書館においてHamilton Papers, Bank of Australasia, Bank of Mauritius等に関する史料調査と収集を行った。 5.ニューヨーク連邦準備銀行資料室を訪問して所蔵資料の調査を行うとともに,ストロング,ハリソン総裁の文書を中心に同室保管の戦間期の資料を収集した。 6.M.ポール教授より提供を受けた独亜銀行の本支店間会計データを引き続き分析して,同行の資金循環プロセスを再構成しつつある。 7.ユーロ・ダラー市場の形成過程に関して先行研究の文献研究を行うとともに,バーゼル所在の国際決済銀行史料室を訪問して所蔵資料の調査と収集を行った。 8.権上康男横浜国立大学名誉教授からインドシナ銀行の歴史や,その他の仏系国際銀行の保存経営文書に関する専門的知識の提供を研究会で受けた。 9.海外研究協力者であるジュネーブ大学Y.カシス教授および香港上海銀行資料館のアーキヴィストであるE.グリーン氏と連絡し研究課題に関する助言を受けるとともに,本科研費による研究成果にもとついて2008年秋開催予定の国際コンファレンスのテーマや具体的な実施方法について調整した。
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