研究課題/領域番号 |
17203027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 首都大学東京 (2006-2007) 千葉大学 (2005) |
研究代表者 |
雨宮 昭彦 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (60202701)
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研究分担者 |
柳澤 治 明治大学, 政治経済学部, 教授 (00062159)
山崎 志郎 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (10202376)
矢後 和彦 首都大学東京, 社会科学研究科, 教授 (30242134)
三ツ石 郁夫 滋賀大学, 経済学部, 教授 (50174066)
田野 慶子 青山学院大学, 経済学部, 教授 (60192639)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 新自由主義 / 競争秩序 / 公益と私益 / 均衡理論 / 再民営化 / エネルギー産業法 / 国際決済銀行 / 統制経済 |
研究概要 |
現代経済史研究はドイツとその周辺に限っても次のような顕著な発展を示し、新たな認識枠組みを必要としている。景気回復期ナチス経済をケインズ主義と結びつける通説の相対化とナチス賃金政策の重要性への注目、ナチス期初期をワイマール経済の問題性の解消過程として捉える視点からのナチス経済政策の自由主義的性格の注目、ドイツ新自由主義とナチズムとの親和的関係への注目、ナチ期国家と企業の関係における私的所有権の意義および契約とインセンティブの解明、国際決済銀行を媒介とした国際的連携の実証研究の蓄積、以上である。こうした新しい研究水準を踏まえて現代経済史に対して次のような視点からアプローチを行った。すなわち危機に直面した「経済的自由主義」と「市場経済」の、戦間期をへて「介入か放任か」という対立軸を超えた「介入的自由主義」と「管理型市場経済」への発展という視点である。明らかにしたのは次のような諸点である。(1)ドイツにおける介入的自由主義の生成過程を、市場経済論・競争政策論、金融システム、公益産業の諸視点から解明した。(2)金本位制崩壊後の国際経済秩序再建に関してBISの新自由主義的な国際通貨・金融システムの構想を明らかにした。(3)日本戦時物資動員計画の特質を統制と市場の観点から解明した。戦時経済システムに関して日本へのドイツからの政策思想の影響を考察した。(4)ドイツの社会的市場経済との関連で新自由主義の意味を考察した。平成18年度には政治経済学・経済史学会・秋季学術大会においてパネル・ディネカッションを試みた。ラロジェクト遂行にあたってはW.アーベルスハウザー教授、J.シュトレープ教授を海外共同研究者として日本に招聘し、研究集会を実施した。
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