研究課題/領域番号 |
17203043
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
四日市 章 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20230823)
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研究分担者 |
河内 清彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50251004)
園山 繁樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90226720)
長崎 勤 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80172518)
中村 満紀男 東日本国際大学, 福祉環境学部, 教授 (80000280)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 付属病院小児科, 准教授 (70251006)
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キーワード | 教育系心理学 / 思想史 / 社会福祉関係 / インクルーシブ社会 / 5歳児健診 / スクリーニング質問票 / 保育場面観察 / 障害者処遇愚 |
研究概要 |
理論的検討では、(1)「教育史・福祉史における<差異>の捉え方とそれへの対応の変遷」の検討結果から「社会資源の不足は情報の偏りを生み、その結果、理論や施策の多様性や柔軟性が失われることへとつながる場合があること」が考察された。(2)「学校における差異への対応の史的展開」の検討結果からは「教科学習と生活指導という2つ学校の教育的機能のバランスを個々の児童生徒のニーズにもとづいて調整すること、それぞれの機能の面で体系的な指導計画を作成していくことが望ましいこと」が考察された。(3)「学校における実際的対応」に関する調査研究の結果からは「教師に対しても、級友に対しても、ニーズのある児童生徒の認知特性などの情報が適切に提供されることで関わり方に好ましい変化が生じること」が示唆された。「障害(差異)を寛容する学校や社会」を実現するためには様々な社会資源を活用した情報の「収集・蓄積・吟味・再提示・共有化」を社会政策決定のレベルから教育実践現場のレベルまで、あらゆる段階で実現することが必要であると考えられた。実践的検討では、5歳児発達障害・知的障害スクリーニング質問票に関する過去のデータを総合的に分析し縦断的データに表れる発達的変化について検討した。その結果,発達障害・知的障害が疑われる子どもでは典型発達児に比べ、言語発達や多動性における気になる徴候(言語発達の遅れ,指示理解の困難、会話になりにくさ,聞き違いや聞きもらしの頻発、順番待ちの困難など)が、年少時から就学まで持続しやすいことが明らかになった。5歳での発達障害児・知的障害児のスクリーニングにおいては、特にこれらの徴候に注目することの有効性が示唆された。また、発達障害が疑われた実際の事例について、発見から精査アセスメントや継続支援に至るまでの経過を検討し、早期発見の意義や支援プログラムの有効性について検証した。以上の成果を幼稚園教諭と共有するため研修会を開催した。
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