研究課題/領域番号 |
17204003
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山口 孝男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00182444)
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研究分担者 |
加須栄 篤 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40152657)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90235507)
伊藤 光弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40015912)
川村 一宏 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (40204771)
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キーワード | 崩壊理論 / リッチ流 / アレクサンドロフ空間 / 退化 / 本質的被覆 |
研究概要 |
1. 曲率が上に有界で測地的に完備な2次元アレクサンドロフ空間の局所構造を完全に決定した。 この様な空間の任意の点ρにおける方向の空間が連結グラフと仮定すると、この点の回りの十分小さい距離球は、平面上の原点中心の単位円盤からこの距離球へのρで分岐する有限個の固有リプシッツはめ込みの和として表される。更に、この様な空間の位相的特異点集合が求長可能なグラフ構造をもち、absolute turn(測地的曲率の絶対値)が局所可積分であることも従う.この空間の局所構造の記述が必要十分であることも判明した。更に、この様な空間が多面体で近似されることや、ガウスボンネ型定理を得た。本研究により、曲率が上に有界で測地的に完備な2次元アレクサンドロフ空間の局所構造が決定された。(永野幸一、塩谷隆、B.Kleiner3氏との共同研究).これらの結果について、6月にロシアにおける国際研究集会で研究発表し、好評を得た。 2. 断面曲率が下に一様に有界で直径が上に一様に有界な多様体或はアレクサンドロフ空間に対して、本質的被覆の概念を定義し、それが一様に有界であることを証明した。これはこのクラスの空間に対する新しい幾何不変量の有界性を示している。応用として、全ベッチ数に対する一様有界性(オリジナルはグロモフによる)の新しい見地からの、概念的に明解な別証明を得た。これについては、2月に筑波大学で開催した研究集会「リーマン幾何と幾何解析」において研究発表した。 3. ペレルマンのリッチ流による3次元多様体の幾何化に関する仕事をフォローし、3月に開催された数学物理学会合同講演会にて講演した。また、リッチ流の下での3次元多様体の退化現象についての結果を得ることができた。これについては、細部をこれから詰める必要がある。
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