研究分担者 |
井関 裕靖 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
小林 俊行 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80201490)
坪井 俊 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40114566)
藤原 耕二 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60229078)
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研究概要 |
金井は,葉層化多様体のコホモロジーの計算を行った.その結果,ある種の葉層構造の無限小剛性と,ヴェイユや松島の古典的な消滅定理の間に予期せぬ関係があることを発見した. 井関は,納谷と共に,離散集合から非正曲率距離空間への調和写像を用いて,離散群の非正曲率距離空間への固定点性質もつための十分条件を与えた.さらにこの結果をランダム群へと応用し,ある条件を満たす有限表示群の族の中に,固定点性質をもつ群が非常に豊富に存在することを証明した. 一方,太田は彼の共同研究者達とA^∞代数とフレアコホモロジーの障害・変形理論に関する研究を行った. 小林は,以下の2点に関し,精力的に研究活動を行った.1)既約対称空間およびその接対称空間に対して,余コンパクトな不連続群が存在するか否かを明らかにした.2)非リーマン等質空間の不連続群に対し,群論的視点から,局所剛性・安定性・変形の定式化を行い,半単純群および冪零群の場合に初等的な考察を行った. 坪井は,以下のふたつの成果をあげた.1)SL(2,Z)の元でトレースの値が2であるものの平面への作用は,ふたつのhalf transvectionの積と考えられる.Half transvectionにより生成される群はヒグマン-トンプソンの群と同型であることを示した.2)実解析的微分同相写像の群のトポロジーおよびアイソトピーの分解について研究した.また、多重有向円周束構造を持つ多様体および球面の積に対して,恒等写像の連結成分の群は完全群であることを示した. 藤原は,有限生成群G上の擬準同型を使って,群Gの有界生成性について次の成果を得た.Gをランクが1のノンコンパクトな単純リー群の離散部分群とする.Gが有界生成であることは,Gがベキ零群を有限指数の部分群として含むことと同値である.
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